保健師助産師看護師国家試験の出題形式の改善に関する研究

文献情報

文献番号
201129060A
報告書区分
総括
研究課題名
保健師助産師看護師国家試験の出題形式の改善に関する研究
課題番号
H23-医療・指定-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田村 やよひ(独立行政法人国立国際医療研究センター 国立看護大学校)
研究分担者(所属機関)
  • 宮崎 美砂子(千葉大学大学院 看護学研究科)
  • 高橋 真理(北里大学 看護学部)
  • 外崎 明子(独立行政法人国立国際協力センター 国立看護大学校)
  • 柳井 晴夫(聖路加看護大学(大学院))
  • 伊藤 圭(独立行政法人大学入試センター 研究開発部試験基盤設計研究部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
看護師等国試験は看護学の進歩、実践の場における対象者や看護問題の多様さなど反映して、単純な知識の想起ではなく、分析・判断力などを通して問題解決能力を判定できるような作問が期待されている。現行の試験問題の改善に役立つ知見を得る目的で、①直近の国家試験問題のタクソノミー分類、②応用力・問題解決力を問う医師国家試験問題の分析等からの新たな問題形式の提案、③諸外国の資格試験の問題作成体制や出題基準の検討、④良問の蓄積に向け、大規模試験に関する文献レビューと問題の評価方法の分析を研究課題とした。
研究方法
①直近の出題問題のタクソノミー分類については、試験問題公募システムに掲載されているタクソノミーの考え方に基づき分析した。
②医師国家試験の分析は、看護師等国家試験にも応用可能な問題解決型問題を抽出し、思考・判断プロセスを図示し解答にいたる過程を可視化した。
③諸外国に関する情報収集は、国際看護交流協会発行のNursing in the World (5th ed.2008)、日本看護協会・各国保健省HP等を使用し、その結果、主に米国のNational Council of State Board of Nursing(NCSBN)の訪問調査を実施した。
④良問の蓄積に向けた試験問題の評価方法については、大学入試センター試験等の問題の評価に関する文献レビューと同センターの問題作成、評価、管理等を検討した。
結果と考察
タクソノミー分類では、約10年前に比べて知識の単純想起・推定型問題は減少しているが、保健師、助産師に比べ、看護師国家試験では約7割が単純想起・推定型に属している。医師国家試験には看護師国家試験にない形式の問題があり、導入を検討する価値がある。Ⅱ型、Ⅲ型問題を作成しやすくするため、思考過程の図解を含む手引きの作成が望ましい。国家試験出題基準の表示も実践能力を示す表現の工夫が必要である。米国の看護師業務分析での看護業務の示し方も参考になる。Ⅱ型、Ⅲ型問題の作成に向けては「設問のねらい」データベースの整備も役立つだろう。米国の問題公募の仕組みから考えると、実践の場で指導的な看護職者を試験問題作成に活用できる仕組みの検討が望まれる。また米国では試験問題を4つの委員会で点検・評価しており、我が国においても試験問題作成のステップを分け役割分担することも検討の価値がある。また、実践の場から視覚素材を収集する仕組みの検討も必要である。良質な問題プールを作るためには、既出問題の評価方法として設問回答率分析図も用いることが望ましい。
結論
同上

公開日・更新日

公開日
2012-09-19
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129060C

収支報告書

文献番号
201129060Z