医師国家試験に係る日本語診療能力調査に関する研究

文献情報

文献番号
201129057A
報告書区分
総括
研究課題名
医師国家試験に係る日本語診療能力調査に関する研究
課題番号
H23-医療・指定-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
奈良 信雄(東京医科歯科大学 医歯学教育システム研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 利哉(新潟大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年の医療の国際化等に伴い、わが国で医師として働くことを希望する外国医師が急増している。そのため、日本語診療能力調査の受験者も増加しており、同調査の一層の質的充実を図りながら多人数を評価することができる手法の確立が急務となっている。
本研究は、同調査の内容及び評価方法の検討を行い、その上で同調査の実施を技術的に支援する。また、質の高い医学教育を推進する観点から、同調査の検討から得られる知見を有効に活用できるよう、教材等の開発を行う。
研究方法
具体的には、次の内容を中心に研究を行い、日本語診療能力調査の円滑な実施を支援する。
1.日本語診療能力の評価手法の開発
2.日本語診療能力の評価者に対するワークショップの開催
3.日本語診療能力調査の実施支援
4.日本語診療能力調査結果の分析
5.「日本語診療能力評価の手引き」(仮称)の作成 <評価者向け>
6.「医師国家試験受験資格認定及び日本語診療能力調査に係るパンフレット」(仮称、和英対訳)の作成 <外国医師向け>
結果と考察
外国医師が日本語を駆使して診療行為が円滑にできるには、「聴く能力」、「話す能力」、「
書く能力」、「診察する能力」のいずれもが長けていることが要求される。これらの能力が、日本
で医学教育を受けた者と同等あるいはそれ以上の能力を評価することが必要であると結論され、実
際の日本語能力調査ではこれらを適正に評価することの重要性が確認された。
 評価のためには、典型的な症例を想定した患者シナリオを作成し、評価項目、評価基準を策定し
た。その上でワークショップを開催し、日本語診療能力調査委員に出席してもらい、シナリオを使
って受験生役、模擬患者役、評価者役のロールプレイを演じて、評価の標準化を図ることがでた。
結論
外国医師の日本語を用いた診療能力を適正に評価できることが確認された。平成24年度以降は、さらに日本語診療能力調査の評価向上に向けた取組を行う予定で、日本語診療能力調査をより発展させることにより、日本の医学部を卒業した者に対する臨床技能評価にも適応できるようなシステムの構築に貢献することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2012-06-18
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129057C

収支報告書

文献番号
201129057Z