医療の国際化に関する国内医療機関の課題の明確化と国際情勢の把握

文献情報

文献番号
201129052A
報告書区分
総括
研究課題名
医療の国際化に関する国内医療機関の課題の明確化と国際情勢の把握
課題番号
H23-医療・指定-006
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 弘良(東京女子医科大学 国際環境・熱帯医学講座)
研究分担者(所属機関)
  • 岡村 世里奈(国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成22年度の研究事業として「国際医療交流(外国人患者の受入れ)への対応に関する研究」を実施した。そのフォローとして(1)作成したマニュアル(暫定版)の実用性の検証、(2)その後の国際情勢の変化を把握、(3)国際医療交流に取り組んでいる、またはこれから取り組みを予定している医療機関の現状や課題の把握を目的とした。
研究方法
(1)マニュアルの改訂は実際に外国人患者を受け入れている医療関係者等と意見交換会を行い内容を検証した。(2)国際情勢の把握は文献、訪問、聞き取り調査を行った。訪問調査では医療の国際化に関する国際会議に出席し、国際動向の情報収集を行い、サハリンの医療機関を訪問し、同地の医療事情やMedical Tourismの実情に関する情報を収集した。聞き取り調査では日本の医療機関で治療や検査を受けた外国人患者に対し聞き取りを行った。(3)ワークショップは既に国際化に取り組んでいる病院や、今開始予定病院の関係者等を対象に、本研究の成果を情報提供するとともに国際医療交流の課題について意見交換を行った。
結果と考察
(1)マニュアルは医療機関にとって実用性の高いものになりうることが分かった。しかしその一方で、本マニュアルだけでは医療機関が望む具体的な情報や最新の情報をすべてカバーすることはできないことも分かった。(2)Medical Tourismの分野では患者の適切な医療機関選択を推進するために「All Inclusive Plan」に関する情報提供が主流になったり、支払いや医療事故に関する問題を解消するために国を超えた医療機関、保険会社、ファシリテーター会社間の連携関係が強化されるなど、国際医療交流の質を高めるための様々な新たな動きが登場してきている。ロシアでは日本の医療に対する評価や受診の期待も高いが、日本の診療情報が他国と比較して大変少ないことが指摘された。(3)ワークショップでは国際医療交流に関する理解を深め、院内のスタッフの教育育成等の必要性、海外の保険会社、関係機関とのパートナーシップ作りの重要性が再認識された。また経産省、厚労省等の国際医療交流に関わる政府の窓口を一本化への要望が出された。
結論
(1)今後、海外からの外国人患者の受入れ体制を整備したいと考えるわが国の医療機関のニーズに対応するためにはマニュアル+α(例えば、定期的なワークショップや事例集の提供等)の体制で取り組むことが最も効果的なものと考えられる。(2)日本における国際医療交流を発展させるためには、今後も情報提供や意見交換の場を何らかの形で設けて行く必要がある。

公開日・更新日

公開日
2012-05-30
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129052C

収支報告書

文献番号
201129052Z