中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制についての研究

文献情報

文献番号
201129051A
報告書区分
総括
研究課題名
中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制についての研究
課題番号
H23-医療・一般-005
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
小林 寛伊(東京医療保健大学)
研究分担者(所属機関)
  • 木村 哲(東京逓信病院 )
  • 森屋 恭爾(東京大学 医学部)
  • 賀来 満夫(東北大学大学院医学系研究科)
  • 大久保 憲(東京医療保健大学 医療保健学部)
  • 尾家 重治(山口大学医学部附属病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制として、以下の8項目、(1)施設内指針遵守のためのチェックリストの実用評価 (2)感染制御策遵守のためのe-learning(3)感染制御策の質向上を目指す教育的DVD (4)アウトブレイク発生時の特定方法ならびに原因追究に関する新指針案への改定 (5)中小医療施設との効果的協同ラウンド (6)インフェクション・コントロール・ナース(ICN)の日常業務必要時間の算定 (7)中小医療施設地域支援ネットワーク (8)感染制御実践看護学講座(6ヶ月研修)の普及と中小施設教育への寄与 を究明し、更に効果的な医療現場での活用を目指した。
研究方法
 (1)は2007年度より取組み試行、改善を繰り返してきたチェックリストを6ヵ月研修、及び、感染制御講習会の受講生、延べ439名に試用を求め、また、417名には、その結果介入したか、改善が見られたかの回答も求めた。(2)は種類を増加充実して作成した。(3)は感染制御の歴史にも触れた普遍的な教育啓発用DVD2種類を作成した。(4)はアウトブレイクの早期特定と原因追究の為の効果的指針案に検討を重ねて改訂を試みた。今回は特に、環境汚染菌によって媒介される病院感染への注意を喚起した。(5)は感染制御実践看護学講座(6ヶ月研修)のカリキュラムである自施設実習についての受講生の全報告(PP)から、その効果を示す改善点を読み取って、まとめた。(6)は6ヶ月研修受講生13名を対象としたDelphi法による調査と、感染管理認定看護師を対象とした調査をおこなった。(7)は日本環境感染学会が認定教育施設に対し義務付けた、地域支援ネットワークの活用についての報告の内容をとりまとめた。(8)は6ヶ月研修修了生を対象として、現状での業務状況および感染制御に関する業績等に関して調査をおこなった。
結果と考察
感染制御策を専門とする先進的な研究者に分担、かつ、協力を仰ぎおこなわれた当研究は、8つもの施策を総合的に関連性を持たせてまとめ上げられ、中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制として、大きく前進を遂げた。 この1年間の研究結果をもとに2年目は更なる充実を図り、特に、地域支援ネットワークについては、整備状況、その活動内容を調査し、今後の展望についても言及したい。
結論
幅広い視野に立った施策を多数組合わせて遂行する当研究は、中小医療施設における感染制御策の質向上を目指す支援体制に、大きく貢献したものと確信する。

公開日・更新日

公開日
2012-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201129051Z