病院内の連携構築に係る病院管理マネジメントに関する研究

文献情報

文献番号
201129043A
報告書区分
総括
研究課題名
病院内の連携構築に係る病院管理マネジメントに関する研究
課題番号
H22-医療・指定-046
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 敏彦(日本医科大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 平尾智広(香川大学医学部)
  • 小林美亜(独立行政法人国立病院機構 本部総合研究センター診療情報分析部)
  • 浅野昌彦(財団法人パブリックヘルスリサーチセンター)
  • 田中啓広(福島県立医科大学地域・家庭医療部)
  • 秋山昌範(東京大学政策ビジョン研究センター)
  • 加藤尚子(国際医療福祉大学)
  • 櫃本真聿(愛媛大学医学部付属病院 医療福祉支援センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,407,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、院内の視点としては、院内のみならず地域を、また地域からの視点としては地域のみならず院内の総括的機能分担を想定した新たな連携のあり方を分析することを目指している。
研究方法
特に地域において急速に展開する高齢化に、地域連携を中心にどのように取り組んでいくのか、その具体的な方法論、インフラストラクチャー、手法に関して検討すると共に、超高齢社会における地域連携の新しいコンセプトの提案を目指している。
結果と考察
本研究を通じて、「ケアサイクル論」を展開し、超高齢社会における需要の変化と医療の変化に関して新しいコンセプトとしてまとめた。近代医学においては、疾病は1疾患1エピソードで、治癒救命が目的であったが、21世紀型の医療では、急性期、回復期、長期、慢性期、末期のケアが連続して発生し、そのサイクルをいかに逆転させるか、なるべく回転しないようにするかが重要である。医療の役割は、本人の生活の質を高め、本人の意思の実現を支援することが重要な目的となる。本研究では、その転換を、これまでの転換概念(人口転換、疾病転換、健康転換)を援用しつつ、生存転換概念として整理し、21世紀における医療の役割を考えるためのフレームワークを提示した。
連携が必要な需要を推計するために、ケアサイクルの定義を行い、将来予測を行った。ケアサイクル状態は「何らかの疾病を持った状態で、介護支援が必要な状態」として定義された。その結果、ケアサイクル状態の患者は今後20年間で2倍以上に増加することが分かった。
結論
本研究を通じて、“医療を生活資源に”として、従来の地域につなぐ連携ではなく、患者の生活をできるだけ継続できるための、生活連携を重視した“病院を地域生活資源”とするための取り組みへが重要であると明らかになった。特に、まちづくりや地域づくりが重要であり、まちづくりの中で医療福祉を軸に据えることで効果的に地域のケアサイクルを回すことが出来ることが確認された。患者中心の連携をいかに構築していくか、本研究で明らかにされたケアサイクル論をさらに定量的・定性的に分析を進め、実証的な事業を行っていく必要があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2012-06-05
更新日
-

文献情報

文献番号
201129043B
報告書区分
総合
研究課題名
病院内の連携構築に係る病院管理マネジメントに関する研究
課題番号
H22-医療・指定-046
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 敏彦(日本医科大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 平尾智広(香川大学医学部)
  • 小林美亜(独立行政法人国立病院機構 本部総合研究センター診療情報分析部)
  • 浅野昌彦(財団法人パブリックヘルスリサーチセンター)
  • 田中啓広(福島県立医科大学地域・家庭医療部)
  • 秋山昌範(東京大学政策ビジョン研究センター)
  • 加藤尚子(国際医療福祉大学)
  • 櫃本真聿(愛媛大学医学部付属病院 医療福祉支援センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本の医療界は、「長中期的」には日本が世界に先駆けて突入する「あり得ない超高齢社会」にどう対応し、また「短中期的」には今、医療システムの各側面で起きている「医療崩壊といわれる現象」にどう対応するか、2つの大きな課題を同時に解決することが求められている。前者の課題には、超高齢化の中で複数疾患を抱えた患者をケアサイクルの中でどのように対応していくのかが重要であり、後者に関しては、病院内でのケアプロセスの分断をいかにつないでいくかが課題である。本研究においは、この2つを繋ぐものとしての「連携」に注目し、質的な変容を見せている連携概念の再検討を連携構築の提案を行った。
研究方法
システムが対象とする「需要」の分析、病院機能の歴史的変遷、院内の連携、地域医療連携のフィールド調査、医療政策と連携、連携と情報などの観点から検討を加えた。
結果と考察
その結果、「院外のケアサイクル」と「院内のケアプロセス」をどのように連結するかという課題が重要であることが分かった。それは言い換えれば「急性期病院の医療機能」を地域の生活資源として活用することに他ならない。これを乗り越えるための一つの課題がガバナンスである。日本の病院の設立主体が複雑で、経営のガバナンスが大きな課題である。
結論
本研究を通じて、“医療を生活資源に”として、従来の地域につなぐ連携ではなく、患者の生活をできるだけ継続できるための、生活連携を重視した“病院を地域生活資源”とするための取り組みへが重要であると明らかになった。特に、まちづくりや地域づくりが重要であり、まちづくりの中で医療福祉を軸に据えることで効果的に地域のケアサイクルを回すことが出来ることが確認された。患者中心の連携をいかに構築していくか、本研究で明らかにされたケアサイクル論をさらに定量的・定性的に分析を進め、実証的な事業を行っていく必要があると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2012-06-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129043C

収支報告書

文献番号
201129043Z