周産期医療体制の推進に関する研究

文献情報

文献番号
201129042A
報告書区分
総括
研究課題名
周産期医療体制の推進に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-045
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
池ノ上 克(宮崎大学)
研究分担者(所属機関)
  • 杉本 充弘(日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター)
  • 佐藤 秀平(青森県立中央病院総合周産期母子医療センター)
  • 池田 智明(三重大学大学院医学系研究科病態解明医学講座生殖病態生理学)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門)
  • 徳永 昭輝(とくなが女性クリニック)
  • 岡本 喜代子(社団法人日本助産師会)
  • 関本 美穂(東京大学大学院公共政策学研究部)
  • 前田 真(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター)
  • 福井 トシ子(公益社団法人日本看護協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成22年度に作成した周産期母子医療センターの調査項目と評価基準について問題点を明らかにすることである。
研究方法
平成22年度に作成した調査項目と基準に基づいて全国調査を行いA,B,Cの評価結果を得た。それを基に以下の観点から検討を行った。①都市部システム、②地方システム ③母体リスク対応 ④新生児リスク対応 ⑤助産所と嘱託医・嘱託医療機関との連携 ⑥勤務実態と医療経済的評価 ⑦新生児退院支援 である。
結果と考察
今回の検討で都市部と地方のニーズの違いが少なからずあることが浮き彫りされた。
母体リスク対応では、産科危機的出血に対する輸血と搬送の整備が必要である。
新生児のリスク対応としては、A評価のNICU施設は地域における一定の役割を担っているが、B,C評価のNICU では調査の結果を受けて、整備すべき項目がより絞られるものと思われた。
医師の勤務実態を把握するタイムスタデイが試みられ、施設間での差が大きいものの今後の活用が期待される。助産所業務の安全性を担保するために、嘱託医療機関や周産期センターとの連携のあり方を検討する必要があると思われた。またNICIの退院支援に向けて、院内の各部署が連携を計りより有効な退院支援体制の構築が今後必要である。
結論
周産期医療体制の評価は、各施設のレベルが向上し望ましい周産期医療センター像に近づくために例用されるべきものであり、また同時に地域の医療ニーズの視点からも合わせて評価する必要があると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-28
更新日
-

文献情報

文献番号
201129042B
報告書区分
総合
研究課題名
周産期医療体制の推進に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-045
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
池ノ上 克(宮崎大学)
研究分担者(所属機関)
  • 杉本 充弘(日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター)
  • 佐藤 秀平(青森県立中央病院総合周産期医療母子医療センター)
  • 池田 智明(三重大学大学院医学系研究科病態解明医学講座生殖病態生理学)
  • 楠田 聡(東京女子医科大学母子総合医療センター新生児部門)
  • 徳永 昭輝(とくなが女性クリニック)
  • 岡本 喜代子(社団法人日本助産師会)
  • 関本 美穂(東京大学大学院公共政策学研究部)
  • 前田 真(独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター)
  • 福井 トシ子(公益社団法人日本看護協会)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成21年3月の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」からの報告で周産期母子医療センターの診療実績を踏まえた評価の仕組みを導入する方針が示されたことを受けて、全国の周産期母子医療センターの診療体制および診療実績について、評価項目とA.B.C の段階別評価基準を作成しその妥当性と問題点について検討した。
研究方法
平成21年に出された周産期医療体制の推進に関する指針を参照に、全国の周産期母子医療センターの診療体制および実績について、適正評価項目と評価基準を作成し、全国の総合および地域周産期母子医療センターに送付、回収し集計を行った。さらに、その結果に基づいて評価項目と評価基準の有効性と問題点を検討した。
結果と考察
NICUに関しては、総合センター58施設の内、A評価15、B評価10、C評価33であり、地域センター161施設の内、A評価0、B評価8、C評価153であった。MFICUに関しては、総合センター69施設の内、A評価25、B評価25、C評価19であり、地域センター21施設の内、A評価1、B評価5、C評価15であった。人的体制や設備が整い実績をあげている施設は、正しくA評価とされていた。一方、体制不整でも、実績のあるセンターもあることが分かった。C評価の総合センターでは、地域センターより体制が整いるが、実績の低い施設も存在した。総合センター内の比較で、B評価のものはNICU入院や分娩を多く取扱っていたが、極・超低出生体重児数やハイリスク妊娠数はA評価より少なく、特にハイリスク妊娠数は、地域センターより少なかった。一方、問題点としては、都市部と地方の周産期センターに求められるニーズの違いが浮き彫りにされた。母体リスクでは産科危機的出血時の輸血や搬送の整備が求められる。新生児リスクでは、A評価のNICUは、地域における一定の役割を担っていた。B評価、C評価の施設では、不足を補うことで施設の整備進むものと考えられた。勤務実態を把握するタイムスタディの活用も提案された。また助産所分娩の安全性のために、嘱託医療機関との連携や地域の周産期システムとの連携を作ることが必要である。新生児集中治療室を退院する児の支援のための地域および施設内の他職種との連携を深める体制作りを整えていくことも周産期センターの重要な役割であり、これらを推進するための施設評価基準も盛り込んでいく必要があると考えられた。
結論
周産期医療体制の評価は、各施設がレベルアップし、望ましい周産期医療センター増に近づくために、利用されるべきものであるが、地域のニーズの視点からも正しく評価する必要があると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129042C

収支報告書

文献番号
201129042Z