外科全手術症例数登録とその解析のための学会間ネットワーク構築に関する研究

文献情報

文献番号
201129037A
報告書区分
総括
研究課題名
外科全手術症例数登録とその解析のための学会間ネットワーク構築に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-040
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩中 督(東京大学医学部附属病院 小児外科)
研究分担者(所属機関)
  • 里見 進(東北大学)
  • 兼松 隆之(長崎市立病院機構)
  • 杉原 健一(東京医科歯科大学 腫瘍外科 )
  • 高本 眞一(三井記念病院 )
  • 橋本 英樹(東京大学医学部 臨床疫学・経済学 )
  • 木内 貴弘(東京大学 大学病院医療情報ネットワーク )
  • 宮田 裕章(東京大学医学部 医療品質評価学 )
  • 後藤 満一(福島県立医科大学 第一外科 )
  • 本村 昇(東京大学医学部 心臓外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、外科専門医制度を構築するすべての学会が協働して、地域医療を支える外科医及び症例の実態を把握し、将来的に外科医のあり方の検討が可能なネットワークの基盤整備を行うことである。
研究方法
平成21年度、平成22年度の研究を経て、平成23年1月1日の症例から実際の症例登録が始まった。さらに、症例登録を行う各施設診療科とのネットワークを構築するため、NCDの症例登録システムに登録した施設診療科に対して、症例数や入力体制に関する調査を行った。
結果と考察
2012年1月13日現在、2,665の施設から4,089ヶ所の診療科が登録されていた。なお、診療科調査の結果によると、1診療科あたりの外科専門医症例数が286症例であった。したがって、2011年の症例としては、100万症例以上が集積される見込みである。入力の時期や入力までの期間、入力担当者の構成といった入力体制が事業の有用性、正確性、正当性及び実現可能性に対して影響を与える可能性が示唆された。また、東日本大震災の影響は広範囲及び長期間に及ぶものであり、人員の不足や原資料の参照困難といった形でNCDの入力そのものに影響を与える可能性が示唆されたが、その影響は限定的であり、NCDと各診療科との連携によって対応が可能であることが明らかになった。ただし、一部の診療科では、東日本大震災の影響で症例数や治療の内容に変動が生じている可能性があり、データの解析時や結果の解釈時に注意を要することが明らかになった。
結論
広範な施設から協力を得られたことで、一定の有用性、正当性を確保することができたと考えられる。今後は、実際に入力を行っている個々の診療科に対する聞き取り調査などを行い、正確性を高めるために各診療科で行っている工夫や入力者の負担を軽減させるために行っている工夫などを明らかにしていく必要がある。

公開日・更新日

公開日
2012-07-13
更新日
-

文献情報

文献番号
201129037B
報告書区分
総合
研究課題名
外科全手術症例数登録とその解析のための学会間ネットワーク構築に関する研究
課題番号
H22-医療・指定-040
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
岩中 督(東京大学医学部附属病院 小児外科)
研究分担者(所属機関)
  • 里見 進(東北大学)
  • 兼松 隆之(長崎市立病院機構)
  • 杉原 健一(東京医科歯科大学 腫瘍外科 )
  • 高本 眞一(三井記念病院 )
  • 橋本 英樹(東京大学医学部 臨床疫学・経済学 )
  • 木内 貴弘(東京大学 大学病院医療情報ネットワーク )
  • 宮田 裕章(東京大学医学部 医療品質評価学 )
  • 後藤 満一(福島県立医科大学 第一外科 )
  • 本村 昇(東京大学医学部 心臓外科・呼吸器外科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は外科専門医制度に関わる学会が協働して、地域医療を支える外科医及び症例の実態を把握し、将来的に外科医のあり方の検討が可能なネットワークの基盤整備を行うことを目的として実施された。
研究方法
平成21年度は、日本外科学会ならびにサブスペシャルティ学会である外科系専門領域学会からなる外科関連専門医制度委員会内に、外科症例データベースワーキンググループが設置され、本研究主任研究者が座長として検討を進めた。平成22年度は、症例数登録のためのネットワーク構築を進めるとともに、事業の正当性及び症例登録システムの検証を行った。平成23年度は、施設の登録状況及び各診療科の症例登録体制に関する調査、およびデータの質検証に関する予備的研究を行った。
結果と考察
平成21年度は、各学会の症例登録制度の現状、データベースのハード面での整備状況などを調査した後、外科手術症例と執刀医師の情報を把握するために必要な共通調査票を作成し、調査方法、実用性について検証を行った。平成22年度は、事業の継続的な運営のため、学会同士の連携により管理運営組織「一般社団法人National Clinical Database」を立ち上げた。また、本研究で構築されたネットワークを用いて症例登録を行うにあたって正当性について検証した。その結果、データ登録に関する同意(オプト・イン/オプト・アウト)の取得、登録目的、登録情報の開示、登録情報の漏洩予防、登録される情報の匿名化、参加に係わるコストの削減、参加条件の設定、データ利用の受付条件の設定、データ分析結果の公表内容の吟味、データ分析の限界に対する配慮、データ分析結果の公表対象の吟味、資金提供元の明示といった形で正当性を確保する必要があることが明らかになった。2012年1月13日現在、2,665の施設から4,089ヶ所の診療科が登録していた。なお、診療科に対する調査を行ったところ、1診療科あたりの外科専門医症例数は286症例であった。2011年の症例としては、100万症例以上が集積される見込みである。
結論
本事業により、将来的な外科専門医の適正配置および医療水準の評価などを行うことが可能なネットワークの基盤を整備することができた。事業のネットワークを用いて症例登録を行うことで、一定の有用性を有するデータの収集が可能になると考えられる。今後は、本研究で整備されたネットワークを活用した症例登録事業を展開していくとともに、ネットワークの継続性を担保するための調査研究が必要である。

公開日・更新日

公開日
2012-07-13
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129037C

収支報告書

文献番号
201129037Z