生薬を用いた東アジア地区伝統医学と漢方医学の構成薬物及び配合比,表記法などに関する比較研究とデータベース作成

文献情報

文献番号
201129012A
報告書区分
総括
研究課題名
生薬を用いた東アジア地区伝統医学と漢方医学の構成薬物及び配合比,表記法などに関する比較研究とデータベース作成
課題番号
H22-医療・一般-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
鳥居塚 和生(昭和大学 薬学部 生薬学・植物薬品化学)
研究分担者(所属機関)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学)
  • 関 隆志(東北大学大学院 医学系研究科 先進漢方治療医学)
  • 御影 雅幸(金沢大学大学院 自然科学研究科)
  • 小松 かつ子(富山大学 和漢医薬学総合研究所)
  • 伊藤 喬(昭和大学 薬学部 薬化学)
  • 亀井 美和子(日本大学 薬学部 医療コミュニケーション学)
  • 奥 真也(会津大学 CAIST医学・医療クラスター)
  • 廣瀬 康行(琉球大学医学部 附属病院 医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,650,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
東アジア地区の伝統医学は古代の中国医学の影響を受け,その後各国の状況に応じ独自の発展をとげてきた.そのため用いられる生薬や処方についても基原・表記法・方剤の構成に差異を生じ,同名異物や異名同物をはじめ混乱がみられる.その結果,スムーズな情報交換に齟齬や障害を生じる一因になっている.上記の様な現状を背景として生薬および生薬関連製剤の表記,制度や規制,市場調査などの比較調査研究を行い,生薬および関連製品の品質担保に資することを目的とするものである.
研究方法
平成23年度は,昨年度に引き続き,東アジア地区の公定書,準公定書記載比較や市場品や使用上の実態を調査した.また規制や制度に関する情報収集と実態を把握するため調査を行った.また一部の生薬については鑑別や品質評価のための化学的方法論についても検討を行った.
結果と考察
(1)実態・実地調査,(2)制度・市場調査,(3)化学的評価法の検討,(4) 生薬ならびに方剤に関するや概念枠組および情報モデルの構築,などを実施した.これらの成果を踏まえて,生薬もしくは herbal medicine と呼ばれる実体ならびに概念を表現するための情報モデル策定し,さらに必須の要素を抽出して範疇構造を構築した.
結論
 本研究成果を基にして,ISO(国際標準化機構)において日本の新規提案を実施することが出来た.即ち,本研究成果をISOの活動に活かし,生薬・herbal medicineの範疇構造を国際標準(技術仕様)とすて提案した.この提案は,ISO/TC215 (第215 技術委員会)において,新規作業案件として国際承認される段階に到達するという実効性のある成果が得られた.
 これは日本の生薬のありかたを守ると共に,国際的にも患者の安全を確保するために貢献すると考えられ,実効性のある成果が得られた.

公開日・更新日

公開日
2012-06-05
更新日
-

文献情報

文献番号
201129012B
報告書区分
総合
研究課題名
生薬を用いた東アジア地区伝統医学と漢方医学の構成薬物及び配合比,表記法などに関する比較研究とデータベース作成
課題番号
H22-医療・一般-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
鳥居塚 和生(昭和大学 薬学部 生薬学・植物薬品化学)
研究分担者(所属機関)
  • 津谷 喜一郎(東京大学大学院 薬学系研究科 医薬政策学)
  • 関 隆志(東北大学大学院 医学系研究科 先進漢方治療医学)
  • 御影 雅幸(金沢大学大学院 自然科学研究科 生理活性物質科学)
  • 小松 かつ子(富山大学 和漢医薬学総合研究所 生薬学・薬用資源学)
  • 伊藤 喬(昭和大学 薬学部 薬化学)
  • 亀井 美和子(日本大学 薬学部 医療コミュニケーション学)
  • 奥 真也(会津大学 CAIST/医学・医療クラスター)
  • 廣瀬 康行(琉球大学 医学部附属病院 医療情報学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 東アジア地区の伝統医学は古代の中国医学の影響を受け,その後各国の状況に応じ独自の発展をとげてきた.そのため用いられる生薬や処方についても基原・表記法・方剤の構成に差異を生じ,同名異物や異名同物をはじめ混乱がみられる.その結果,スムーズな情報交換に齟齬や障害を生じる一因になっている.上記の様な現状を背景として生薬および生薬関連製剤の表記,制度や規制,市場調査などの比較調査研究を行い,生薬および関連製品の品質担保に資することを目的とするものである.
 また,これらの研究の成果を,国際標準化機構(ISO)を通じて,国際標準(技術仕様)とすることで,日本の生薬のありかたを守り,かつ国際的な視点で患者の個々の安全を担保することを目的とした活動を行った.
研究方法
 2年間を通じて,東アジア地区の公定書,準公定書記載比較や市場品や使用上の実態を調査した.また規制や制度に関する情報収集と実態を把握するため調査を行った.また一部の生薬については鑑別や品質評価のための化学的方法論についても検討を行った.さらには,日中ならびに欧米等の標準的な用語体系あるいは生薬解説書等を蒐集し,それらの中から,生薬なる概念の構成に必要となる情報要素を抽出すると共にこれを整理して,東洋伝統医学に限らず広く生薬もしくは herbal medicine と呼ばれる実体ならびに概念を表現するための情報モデル策定し,さらに其れから必須の要素を抽出して範疇構造を構築した.
結果と考察
国際的に伝統医学の科学的評価と臨床利用の機運が高まっているが,本研究は各国間での整合性を図るために資する資料となること,またそれぞれの特色も明確化できるものと考えられる.また国際標準化機構(ISO)を通じて,東アジア伝統医学に関する国際規格策定作業にも資する資料を準備することができた.
結論
これらの研究の成果を基にして,国際標準化機構(ISO/TC215)において,国際標準(技術仕様)とすることを目的とした活動を併行して行った.その結果,2012年3月31日の時点で,提案した国際標準(技術仕様)は国際承認される直前の段階にまで至ることが出来た.このような“生薬・herbal medicineの範疇構造”を国際標準とすることは,日本の生薬のありかたを守ることにつながるものであり,また生薬に関わる混乱を回避させ国際的にも患者の安全を確保することにも貢献できるものであり,実効性の高い重要な研究成果の一つとして位置づけられる.

公開日・更新日

公開日
2012-06-05
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129012C

収支報告書

文献番号
201129012Z