文献情報
文献番号
201129011A
報告書区分
総括
研究課題名
ISO/TC249に資するための伝統医学関連の用語・疾病分類・デバイス・安全性確保などの基盤整備研究
課題番号
H22-医療・一般-013
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
元雄 良治(金沢医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 形井 秀一(筑波技術大学保健科学部)
- 津嘉山 洋(筑波技術大学保健科学部)
- 廣瀬 康行(琉球大学医学部附属病院)
- 関 隆志(東北大学大学院医学系研究科)
- 豊玉 速人(NPO法人医学中央雑誌刊行会編集部)
- 東郷 俊宏(東京有明医療大学保健医療学部)
- 小野 直哉(財団法人未来工学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
14,066,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、国際標準化機構(ISO)/Technical Committee 249(TC249)(以下TC249)における伝統医学に関する国際標準化の動向に対応するため、TC249に主体的に参画してその動向を調査し、日本の伝統医学である漢方医学の標準化の基盤を構築することである。中国は2009年2月に中医学の包括的な標準化を目的とした新規のTC249の設立をISOに申請し、同年9月のTechnical Management Board (TMB)で承認され、鍼などのデバイス・安全性のみならず、生薬・処方・用語・情報にまでそのスコープを広げようとした。本研究で期待される効果として、国内における伝統医学関連事項の標準化により、日本の現代医療における漢方医学の位置づけと、漢方医学と中医学・韓医学との相違が明らかになり,ISOやICD-11 (ICTM)などへの対応に貢献できる。
研究方法
TC249第2回全体会議(オランダ・ハーグ)および各WG会議をはじめとする国際標準化関連の国際会議に班員を派遣し、情報の収集をし、その状況に応じ、発言し、対応した。その対策の一環として国内の漢方・鍼灸の取り組みを調査し、まとめた。
結果と考察
ISO/TC249は本研究班とほぼ同じ歩みをしているが、前年度6月に第1回全体会議が北京で開催され、キックオフされた。今年度5月にはオランダ・ハーグで第2回全体会議が開催され、5つのWGが設立され、実質的な議論が開始された。しかし、TC249のタイトルとスコープが未定のまま議論が始まっており、幹事国の中国をはじめ参加国の多くは狭義の中医学の国際標準化を進めていると認識しているようである。中国は発展途上国での中医学の普及を前提に、「最低限」の国際標準を策定して、生薬などの輸出を増加させ、東アジア各国では、生薬の基原植物や処方の構成生薬とその分量が違うことから1国の基準を国際標準にすること自体に無理があり、安全性の面でも重大な問題を起こす危険がある。高品質と安全性で世界から評価されている漢方製剤と鍼灸を培ってきた日本は、今後も漢方医学の基盤整備を進め、世界に発信していくことが求められている。
結論
ISO/TC249は第2回全体会議がハーグで開催され、5つのWGが動き出した。本研究班での研究により、伝統医学の分野で、日本として何を守り、何を発信できるのかが明確になることが期待される。
公開日・更新日
公開日
2012-05-08
更新日
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