文献情報
文献番号
201129006A
報告書区分
総括
研究課題名
日本版EHRを目指した地域連携電子化クリティカルパスにおける共通形式と疾患別項目の標準化に向けた研究
課題番号
H22-医療・一般-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
田中 博(東京医科歯科大学 大学院疾患生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 木村 通男(浜松医科大学医学部附属病院・医療情報学)
- 永田 宏(長浜バイオ大学 コンピュータバイオサイエンス学 )
- 山本 隆一(東京大学大学院情報学環・医療情報学)
- 秋山 昌範(東京大学・政策ビジョン研究センター・医療情報)
- 中谷 純(東京医科歯科大学・医療情報学)
- 宮本 正喜(兵庫医科大学医学部・医療情報学)
- 原 量宏(香川大学瀬戸内圏研究センター・医療情報学)
- 吉田 純(医療法人医仁会さくら病院)
- 武藤 正樹(国際医療福祉大学大学院・病院管理学)
- 水野 正明(名古屋大学大学院・遺伝子治療学)
- 辰巳 治之(札幌医科大学大学院・生体情報形態学)
- 岡本 悦司(国立保健医療科学院・医療経済学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
12,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
選定した各疾患の標準連携項目について、循環型地域連携クリティカルパスの代表である糖尿病と、一方向型地域連携クリティカルパスの代表である脳卒中を最優先に、電子化クリティカルパス標準連携項目と標準化形式について全国標準を決定を目的とした。
研究方法
本研究を実施するにあたり、疾患別連携パス分科会、連携パス電子化共通規格分科会を設置した。
結果と考察
連携パス電子化共通規格分科会では、世界的に普及しているHL7 CDA R2をベースにしたCCD形式を基礎に地域医療連携情報を標準化することを提案し、糖尿病の地域連携を対象として、糖尿病協会の「糖尿病連携手帳」に記載されている連携項目を対応づけることができた。海外でCCD形式の利用が急速に普及してきているが、日本では、徐々に浸透してきているものの、国際比較するとその度合いに開きがある。普及促進には、厚生労働省などの行政と協力し、標準化推進を進める施策を考える必要があると思われる。
疾患別連携パス分科会では、循環型地域連携クリティカルパスの代表である糖尿病と、一方向型地域連携クリティカルパスの代表である脳卒中の性質の違う2つの疾患について、疾患別日本版地域連携EHRのあり方を検討、実証し成果を挙げることができた。
地域ぐるみの糖尿病疾病管理を実現するには、診療連携パスだけでなく、疾病管理ツールとして、個人疾病管理の為の個人疾病管理MAPと集団疾病管理の為の地域疾病管理MAPが必要であり、それぞれに対し糖尿病患者の病態把握のための最小限の検査項目であるミニマムデータセットを整備することができ、糖尿病の重症化予防に予想以上の成果を挙げたこと、また、慢性疾患の診療時の定期検査欠測を回避する医療安全の新たなツールとしての期待等から、今後地域ぐるみの糖尿病をはじめとする慢性疾患の疾病管理に大きく貢献することが期待される。
脳卒中の地域疾病管理の実現においては、脳卒中地域連携クリティカルパスが持つ急性期、回復期、維持期(初期)の医療情報のみでは不十分で、維持期の大半に絡む福祉(介護を含む)情報との統合が必要であり、生活能力指標等、コンテンツ数が多くなるが、ミニマム連携セット(115コンテンツ)、スタンダード連携セット(223コンテンツ)、ディテイル連携セット(621コンテンツ)にそれぞれ層別化した。地域の医療資源に違いがあることから今後は基本セットと地域に応じた追加セットという形で検討を進めていく方針である。
疾患別連携パス分科会では、循環型地域連携クリティカルパスの代表である糖尿病と、一方向型地域連携クリティカルパスの代表である脳卒中の性質の違う2つの疾患について、疾患別日本版地域連携EHRのあり方を検討、実証し成果を挙げることができた。
地域ぐるみの糖尿病疾病管理を実現するには、診療連携パスだけでなく、疾病管理ツールとして、個人疾病管理の為の個人疾病管理MAPと集団疾病管理の為の地域疾病管理MAPが必要であり、それぞれに対し糖尿病患者の病態把握のための最小限の検査項目であるミニマムデータセットを整備することができ、糖尿病の重症化予防に予想以上の成果を挙げたこと、また、慢性疾患の診療時の定期検査欠測を回避する医療安全の新たなツールとしての期待等から、今後地域ぐるみの糖尿病をはじめとする慢性疾患の疾病管理に大きく貢献することが期待される。
脳卒中の地域疾病管理の実現においては、脳卒中地域連携クリティカルパスが持つ急性期、回復期、維持期(初期)の医療情報のみでは不十分で、維持期の大半に絡む福祉(介護を含む)情報との統合が必要であり、生活能力指標等、コンテンツ数が多くなるが、ミニマム連携セット(115コンテンツ)、スタンダード連携セット(223コンテンツ)、ディテイル連携セット(621コンテンツ)にそれぞれ層別化した。地域の医療資源に違いがあることから今後は基本セットと地域に応じた追加セットという形で検討を進めていく方針である。
結論
これらの成果を今後、別冊で小冊子化して、脳卒中学会をはじめとする関連学術団体、および有識者等に提案し、意見を収集し更なる検討を進めていきたいと考えている。
公開日・更新日
公開日
2012-05-30
更新日
-