都道府県へき地保健医療計画策定支援とその実施に関する研究

文献情報

文献番号
201129002A
報告書区分
総括
研究課題名
都道府県へき地保健医療計画策定支援とその実施に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
梶井 英治(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 前田 隆浩(長崎大学 医学部)
  • 谷 憲治(徳島大学 医学部)
  • 井口 清太郎(新潟大学 医学部)
  • 今道 英秋(自治医科大学 医学部)
  • 澤田 努(高知県高知市病院企業団立高知医療センター)
  • 神田 健史(自治医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 平成22年度、研究者らは、第11次都道府県へき地保健医療計画の充実を目的として、先進的なへき地保健医療対策の取組事例の検討、へき地を中心とした地域医療分析等の調査項目の提示、グループワークの手法を用いた全国へき地医療支援機構等連絡会議の支援、都道府県個別訪問による技術的助言の4つの取組からなる、都道府県の第11次へき地保健医療計画策定を支援する研究を行った。都道府県担当者への聞き取り調査からは、これらの手法には一定の効果があると考えられた。
 平成23年度、研究者らは、これらの効果をより確かなものにするためには、これらの支援を単発で終わらせるのではなく、責任を持って継続的に行う必要があると考え、都道府県の取組を追跡することを目的とした研究を行った。また、これらの手法の本来の目的は第11次都道府県へき地保健医療計画の充実、ひいてはへき地保健医療そのものの充実であると考え、より本質的にこれらの手法の有効性を検証することを目的とした研究も行った。
研究方法
 都道府県の取組を追跡するための取組としては、平成22年度に引き続き、全国へき地医療支援機構等連絡会議におけるグループワークの開催等の支援と都道府県個別訪問による技術的助言を行った。より本質的にこれらの手法の有効性を検証するための研究としては、策定された第11次都道府県へき地保健医療計画についての評価・吟味と都道府県関係者に対する郵送によるアンケート調査を行った。
結果と考察
 策定された第11次都道府県へき地保健医療計画についての評価・吟味では、研究者らの取組によると思われる記述も多く見られた一方、依然低調な都道府県も認められた。また都道府県関係者に対するアンケート調査でも高評価を得ることが出来た。また、都道府県の取組の追跡からは、これらの取組を継続して行う重要性が感じられた。
結論
 これらの手法は、都道府県ごとの実情を勘案した計画作成・実行を促すことが出来ると考えられ、都道府県の主体性を伸ばす効果があると考えられた。一方で、その効果は全都道府県で一様ではなく、今後はボトムアップに繋がるような取組を検討する必要があると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-29
更新日
-

文献情報

文献番号
201129002B
報告書区分
総合
研究課題名
都道府県へき地保健医療計画策定支援とその実施に関する研究
課題番号
H22-医療・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
梶井 英治(自治医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 前田 隆浩(長崎大学 医学部)
  • 谷 憲治(徳島大学 医学部)
  • 井口 清太郎(新潟大学 医学部)
  • 今道 英秋(自治医科大学 救急医学)
  • 澤田 努(高知県高知市病院企業団立高知医療センター)
  • 神田 健史(自治医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 都道府県がへき地保健医療計画を独自に策定してへき地保健医療対策の推進を図ることが推奨された第10次へき地保健医療計画時に医療計画とは別にへき地保健医療計画を策定したのは29都道府県と低調であった。
 研究者らは、都道府県の取組の低調さの原因が計画策定に関するノウハウ不足、他都道府県の状況や取組などに関する情報不足などにあると考え、第11次へき地保健医療計画策定年度である平成22年度から、都道府県の第11次へき地保健医療計画の策定支援とそれによるへき地保健医療の充実を目的とした研究を実施した。
研究方法
 先進的なへき地保健医療対策の取組事例の検討と提示、へき地を有する全都道府県を対象とした「へき地保健医療計画策定のためのへき地を中心とする地域医療分析等」調査とその結果の還元による計画策定の基礎となる調査項目の提示、全国へき地医療支援機構等連絡会議におけるグループワークの手法を用いた都道府県間の意見交換、各都道府県への個別訪問による助言の4つの技術的支援を行った。さらに、これらの技術的支援を受けて策定された第11次へき地保健医療計画の吟味・評価と、その後の追跡も行い、これらの手法の実効性についても検証した。
結果と考察
 先進的なへき地保健医療対策の取組事例の検討では、都道府県の実情を考慮し、医師が帰属できる場所を構造として維持することが重要と示すことができ、へき地を中心とした地域医療分析等の調査では、第11次へき地保健医療計画策定に際し必要となる項目を示して都道府県の調査を促すことが出来た。また、全国へき地医療支援機構等連絡会議におけるグループワークの都道府県個別訪問による技術的支援では、直接的・個別的に課題の抽出と対策の深化を図ることが出来た。
 結果、36都道府県で第11次都道府県へき地保健医療計画の策定を促すことができ、また、研究者らの手法について、いずれの手法に対しても75%前後の都道府県担当者が「有効だった」と回答し、一定の評価を得ることができた。しかし、策定された第11次へき地保健医療計画の吟味では、内容の具体性に関して都道府県の差が認められた。
結論
 これらの手法は、都道府県ごとの実情を勘案した計画作成・実行を促すことが出来ると考えられ、都道府県の主体性を伸ばす効果があると考えられた。一方で、その効果は全都道府県で一様ではなく、今後はボトムアップに繋がるような取組を検討する必要があると思われた。

公開日・更新日

公開日
2012-05-29
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201129002C

成果

専門的・学術的観点からの成果
該当なし
臨床的観点からの成果
該当なし
ガイドライン等の開発
該当なし
その他行政的観点からの成果
・全国へき地医療支援機構等連絡会議で、先進的なへき地保健医療対策の取組事例やへき地を中心とした地域医療分析等の調査項目を提示した。
・全国へき地医療支援機構等連絡会議に参加し、グループワークのファシリテーターを務めることで直接的にその有効性を高めた。
・第11次都道府県へき地保健医療計画の策定に個別的・直接的に関与し、その策定を促進し、内容の充実も促した。
・都道府県の主体性を伸ばしつつ、その実情に配慮したより充実した計画を策定するための支援方策を提示した。
その他のインパクト
該当なし

発表件数

原著論文(和文)
1件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
4件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
塚本友栄、春山早苗他
へき地医療拠点病院看護職の現状とへき地診療所看護職支援との関連
日本ルーラルナーシング学会誌 , 6 , 17-33  (2011)

公開日・更新日

公開日
2021-05-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201129002Z