MODY1-6の病態調査と鑑別的診断基準の策定

文献情報

文献番号
201128257A
報告書区分
総括
研究課題名
MODY1-6の病態調査と鑑別的診断基準の策定
課題番号
H23-難治・一般-101
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
武田 純(岐阜大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 堀川 幸男(岐阜大学 医学部附属病院)
  • 山本 眞由美(岐阜大学 保健管理センター)
  • 山縣 和也(熊本大学 大学院生命科学研究部)
  • 今川 彰久(大阪大学 大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
若年発症のインスリン分泌不全に加え、多臓器に亘る多彩な病態を呈する稀な単一遺伝子病がある(MODY)。6種類の亜型 (MODY1-6)が知られ、固有の重篤な病態(糖尿病、生殖器異常、ネフロン形成不全、発癌、心血管イベント、精神遅滞、脂質異常など)のために生涯を通しての生活質の低下は甚だしい。DNA検査が唯一の判定法であるが、発症年齢や肥満の有無を中心とした汎用されているDNA検査の推奨基準に対し、日本人における同基準の精度に関する評価調査はない。本研究では、全国調査に基づいて、日本人におけるMODY遺伝子診断の推奨基準の策定を試みる。
研究方法
1次アンケートを全国の糖尿病と小児内分泌の専門医5,524人に送付した結果、1,843人(609施設)がMODY症例または若年発症の候補症例ありと回答した。そのうち、非肥満を中心として303施設を対象として、MODY診断と臨床情報に関する2次アンケート調査を実施した。現時点で、110施設から243症例についての調査票が返送されている。そのうち、未診断の107症例については遺伝子検査の希望があり、既に送付された家族サンプルを含めた77検体については、先行してMODY1-6遺伝子の変異スクリーニングを行った。
結果と考察
変異スクリーニングの結果と二次アンケートを併せて集計した結果、MODY1; 4人、MODY2; 14家系24人、MODY3; 20家系22人、MODY4; 0人、MODY5; 11人、MODY6; 0人であった。BMI 25未満は、MODY1 (100%), MODY2 (96%), MODY3 (91%), MODY5 (100%)であった。15歳以下の診断は、MODY1 (100%), MODY2 (92%), MODY3 (68%), MODY5 (73%)であったので、大半は学童期の発症と考えられる。両親の糖尿病の家族歴は、MODY1 (100%), MODY2 (83%), MODY3 (91%), MODY5 (27%)と多様であり、家系内の浸透率は各病型によって異なることが示唆されたが、特にMODY5において顕著であった。
結論
肥満の有無や診断時年齢に関しては、総MODYとしての基準策定は可能かもしれないが、遺伝歴に関しては他の臨床像を加味した個別基準の策定の必要性が示唆された。

公開日・更新日

公開日
2013-03-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128257Z