好酸球性膿疱性毛包炎の病態解明と新病型分類の提言

文献情報

文献番号
201128254A
報告書区分
総括
研究課題名
好酸球性膿疱性毛包炎の病態解明と新病型分類の提言
課題番号
H23-難治・一般-098
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
宮地 良樹(京都大学 医学研究科皮膚科学)
研究分担者(所属機関)
  • 戸倉 新樹(浜松医科大学 皮膚科)
  • 野村 尚史(京都大学 医学研究科皮膚科学)
  • 谷岡 未樹(京都大学 医学研究科皮膚科学)
  • 鬼頭 昭彦(京都大学 医学研究科皮膚科学)
  • 藤澤 章弘(京都大学 医学研究科皮膚科学)
  • 江川 形平(京都大学 医学研究科皮膚科学)
  • 谷崎 英昭(京都大学 医学研究科皮膚科学)
  • 山本 洋介(京都大学 医学研究科皮膚科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
太藤が提唱した好酸球性膿疱性毛包炎(eosinophilic pustular folliculitis; EPF、別名Ofuji disease)は、強いそう痒を伴う難治性疾患である。申請者らは(1)EPFの疫学調査と(2)病態解明を軸として、EPFの新しい病型分類、治療方針の確立を目指し研究をおこなった。
研究方法
(1)全国皮膚科専門医研修施設でのアンケート調査を継続した。インドメタシンの第一選択薬としての妥当性、その他の治療法の有効性をひきつづき検証した。(2)病態解明研究を継続した。試験管内で脂腺細胞を培養し、好酸球遊走に関与しうる種々の刺激に対する反応を計測した。
結果と考察
(1)EPFの疫学的調査を継続したことで、罹患率、治療法の検証データを更に蓄積した。本研究におけるEPFの疫学調査研究は世界初の試みであり、EPFの治療方針決定に有用な情報を提供する基盤を得た。(2)プロスタグランジンD2による脂腺細胞の好酸球遊走因子eotaxin-3(CCL26)の産生誘導において、(a)PGD2の代謝産物であるPGJ2、および(b)脂腺細胞核内受容体PPARγが関与することを明らかにした。この成果は、PGD2、PGJ2、PPARγ、CCL26をつなぐ経路が、EPFの根本治療の標的となりえることを示しており、臨床的にも非常に重要である。
結論
本研究により、これまで知られていなかったEPFの疫学的実態が明らかになりつつある。さらにプロスタグランジンD2による脂腺細胞の好酸球遊走因子の産生誘導機構を明らかにしたことで、EPFの新たな治療標的を示した。本研究の成果は一般的な好酸球性皮膚症の病態解明にも応用可能である。EPFによるQOLの低下は、国民の健康を害し、労働力を削減する。本研究は国民の厚生・労働の改善に貢献すると考える。

公開日・更新日

公開日
2013-03-13
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128254Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
13,000,000円
(2)補助金確定額
13,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 9,649,450円
人件費・謝金 207,400円
旅費 17,740円
その他 125,410円
間接経費 3,000,000円
合計 13,000,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
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