肥厚性硬膜炎の診断基準作成とそれに基づいた臨床疫学調査の実施ならびに診療指針の確立

文献情報

文献番号
201128242A
報告書区分
総括
研究課題名
肥厚性硬膜炎の診断基準作成とそれに基づいた臨床疫学調査の実施ならびに診療指針の確立
課題番号
H23-難治・一般-086
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
吉良 潤一(九州大学 医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 藤井 清孝(北里大学 医学部脳神経外科 )
  • 楠 進(近畿大学 医学部神経内科 )
  • 吉田 眞理(愛知医科大学 加齢医学研究所 )
  • 坂田 清美(岩手医科大学 医学部衛生学公衆衛生学 )
  • 松下 拓也(九州大学 医学研究院臨床神経免疫学寄付講座)
  • 立石 貴久(九州大学病院 神経内科 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
(1)肥厚性硬膜炎の診断基準を作成して臨床疫学調査を実施し、有病率、合併症、予後、治療の実態を明らかにすることを目的とする。
(2)本調査結果に基づいて、肥厚性硬膜炎の診療指針を作成する。
(3)各種膠原病、線維症、HTLV-1など感染症の合併を調査することで、肥厚性硬膜炎の発症に寄与する因子を明らかにする。
(4)髄液IgG4や各種サイトカインの動態解析と生検硬膜の免疫組織化学的検討により、肥厚性硬膜炎がIgG4関連疾患であるか否か、IgG4産生と線維化の関連、そのプロセスに関与するサイトカインは何かを解明する。
研究方法
肥厚性硬膜炎の有病率、合併症、自然経過・予後、治療効果を明らかにするため、調査すべき診療情報を決定した。疾患概念として、脳または脊髄硬膜の慢性炎症を伴う肥厚性変化を起こす疾患とし、診断基準として1) MRIにて硬膜肥厚を認める。ただし低髄液圧症候群、腫瘍性を除外できること。2)硬膜生検により炎症細胞浸潤を伴う硬膜の線維性肥厚を認める。ただし、腫瘍性は含めない。以上のいずれかを満たすものと定義した。九州大学倫理委員会の承認を得た上で、疫学研究に関する倫理指針に則り、一次調査票を発送した。回答のあった施設に二次調査票を郵送し、詳細な情報を回収し解析を行なった。
結果と考察
1904施設より回答を得られ、330例の症例の存在を確認した。回答のあった施設に二次調査票を送付し、187例(2012年4月現在)の回答があった.続発性の患者の約3割にPまたはC-ANCAが陽性であった。また、蛍光ビーズサスペンションアレイ法により肥厚性硬膜炎患者6例の髄液中サイトカインを測定し、38例の対照群(非炎症性末梢神経疾患)と比較して炎症性サイトカインIL-8が高値であることを見出した。
結論
集積した187例のさらに詳細な解析を行い、感度、特異度の高い診断基準を作成する。また、ANCAと本疾患との関係について検討する。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-02-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128242Z