ヒトiPS細胞を用いた致死的循環器疾患の病態解明と治療方法の開発

文献情報

文献番号
201128241A
報告書区分
総括
研究課題名
ヒトiPS細胞を用いた致死的循環器疾患の病態解明と治療方法の開発
課題番号
H23-難治・一般-085
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
湯浅 慎介(慶應義塾大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
我が国における心臓突然死は年間3万?5万人とされ、致死的循環器疾患を早期に診断し、適切な治療方法を開発する方法を確立することが急務である。近年、本邦においてiPS(人工多能性幹細胞)細胞が開発され、iPS細胞を用いた疾患解析・新規治療方法の開発が期待されている。iPS細胞は、患者のゲノムに記録されている全ての遺伝情報を受け継いだ多能性幹細胞であり、患者由来iPS細胞を分化することにより患者の病気の表現型を引き継いだ生きたヒト心筋細胞を作製することが可能である。本研究では、致死的循環器疾患患者より同意のもと、末梢血10ml程度を採取しiPS細胞を作製する。その後、心筋細胞へ分化誘導することで病的心筋を作り、表現型の解析、薬剤への反応を確認することで、多くの致死的循環器疾患を対照にした病態解明と新規治療方法の開発とその臨床応用を行っていく。
研究方法
採血検体よりiPS細胞を作成し、心筋細胞を分化誘導する。得られた心筋細胞を用いて、分子生物学的・電気生理学的特性をコントロールと比較する。確認された違いをもとに、病態発症機序を解明し、様々な薬物に対する応答性を検討する。
結果と考察
遺伝性QT延長症候群患者よりiPS細胞を作成した。同iPS細胞はコントロールと比較して心筋細胞分化能力に差は見いだせなかった。同iPS細胞由来心筋細胞を用いて電気生理学的特性に違いがあることを見いだした。同違いは、これまでに報告されていた表現系を再現していると考えられ、疾患モデルを構築したことを確認された。
結論
ヒトiPS細胞は、ヒト遺伝性心疾患モデルになりえることを確認した。同モデルを用いて、これまでにわかっていない病態を解明し、新規治療方法の開発につなげていく。

公開日・更新日

公開日
2013-03-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128241Z