膠様滴状角膜変性症の標準的治療レジメンの確立と新規治療法の創出

文献情報

文献番号
201128240A
報告書区分
総括
研究課題名
膠様滴状角膜変性症の標準的治療レジメンの確立と新規治療法の創出
課題番号
H23-難治・一般-084
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
川崎 諭(京都府立医科大学 視覚機能再生外科学)
研究分担者(所属機関)
  • 村上 晶(順天堂大学 医学部)
  • 天野史郎(東京大学 医学部)
  • 稲富 勉(京都府立医科大学 医学部)
  • 辻川元一(大阪大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
膠様滴状角膜変性症は10歳代に角膜上皮直下にアミロイド沈着が生じ、次第に角膜全面を覆うために著明な視力低下を来す疾患である。今年度は疾患モデルの作製として、本疾患患者由来の不死化角膜上皮細胞の作製を行った。また全国調査のための準備を行うとともに、各大学の分担者においては、独自の視点で膠様滴状角膜変性症の基礎的または臨床的研究を行った。
研究方法
膠様滴状角膜変性症患者由来の角膜および結膜上皮細胞の不死化細胞の樹立を行った。またコンタクトレンズ(P-CL)をデバイスとした角膜上皮細胞培養及び細胞移入の検討を行った。また角膜および口腔粘膜上皮シートおよびマウス角膜におけるTACSTD2の発現を解析した。
結果と考察
本疾患のモデル細胞として本疾患患者由来の角膜および上皮細胞の不死化細胞の樹立に成功した。この不死化細胞は本疾患患者角膜において認められる病的特徴を忠実に反映していた。ハイドロゲルからなるコンタクトレンズ(P-CL)においては、GFPトランスジェニックラビットの角膜輪部から採取した細胞の増殖も良好であり、CL上に単層培養したCLを装着させた日本白色家兎眼においても、細胞の移行が認められた。また実際の角膜上皮再生治療に使われる角膜上皮ないし口腔粘膜上皮シートにおけるTACSTD2遺伝子の発現について検討したところ、ヒト角膜上皮シート、ヒト口腔粘膜上皮細胞シートにおいてTACSTD2遺伝子の発現を認め、シグナルの強度にヒト角膜と大きな差異を認めなかった。またTACSTD2遺伝子の2つの新規変異を発見した。
結論
膠様滴状角膜変性症患者由来の不死化ヒト角膜および結膜上皮細胞の樹立に成功した。またコンタクトレンズをデバイスとして用いることで角膜上皮細胞の培養が可能であった。今後TACSTD2遺伝子導入をおこなった角膜上皮細胞をソフトコンタクトレンズ上で培養して患者角膜へ移入する方法の開発などを行うなどの応用が考えられる。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128240Z