先天性筋無力症候群の診断・病態・治療法開発研究

文献情報

文献番号
201128229A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性筋無力症候群の診断・病態・治療法開発研究
課題番号
H23-難治・一般-073
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
大野 欽司(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 福留 隆泰(長崎川棚医療センター)
  • 奥村 彰久(順天堂大学医学部)
  • 小牧 宏文(国立精神・神経医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
先天性筋無力症候群(congenital myasthenic syndromes, CMS)は、神経筋接合部の先天的分子欠損によって起きる筋力低下と易疲労性を特徴とする疾患群である。研究代表者らはCMSにおける8種類の遺伝子に変異を同定してきた。本研究事業は、本邦におけるCMS症例に対して臨床診断・電気生理検査・遺伝子診断サービスを提供することにより、新規症例の発掘・原因遺伝子変異の同定・分子病態解明研究ならびに制御研究を行うことを目的とした。
研究方法
研究分担者らがそれぞれの症例の主治医と共同して詳細に臨床診断ならびに臨床電気生理学検討を行うことにより症例を発掘した。各施設の生命倫理委員会の承認を得てSanger sequencingとexome capture resequencingによりCMS原因遺伝子解析を行なった。
結果と考察
本邦における16症例のCMSの遺伝子変異検索を行いCOLQ遺伝子変異3例、CHRNB1変異1例、CHRND変異1例、CHRNE変異4例、DOK7変異2例、GFPT1変異1例、新規分子X変異1例を同定した。3例においては変異を検索中である。同定をした変異の機能解析を行い一部の変異では病原性の証明を完了した。
結論
本研究事業を開始する前は、本邦のCMS確定診断例(遺伝子変異同定例)は2例のみであったが、本研究事業の2年間に新たに16症例のCMSの診断を行い13症例で遺伝子変異を同定した。しかも1例を除き本邦特有の遺伝子変異であり、ファウンダー変異が偶然に海外から流入したものではなく、本邦にも未診断・誤診断のCMS症例がさらに存在することが示唆された。今後、さらにCMS症例の同定を行うとともに今回同定をした遺伝子変異の病態分子機構の解明を続ける。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128229Z