文献情報
文献番号
201128226A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝性対側性および汎発性色素異常症の本邦における診療実態の把握、治療指針の作成と新治療戦略の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H23-難治・一般-070
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
河野 通浩(名古屋大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 秋山 真志(名古屋大学 医学系研究科 )
- 錦織 千佳子(神戸大学 医学研究科 )
- 山下 利春(札幌医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
我々は本疾患群(DSH、DUH)の全国規模の疫学調査を行い、本疾患群の治療指針の作成を目的とする。さらに、DSHの外用剤による治療法の開発及び原因遺伝子が不明のDUHの原因遺伝子の同定の研究を行い、その成果を加えて、最終的には、より実践的な治療指針の作成を目指す。
研究方法
(1)【遺伝性対側性及び汎発性色素異常症診断基準の確認】
(2)【遺伝性対側性及び汎発性色素異常症診断の疫学調査、治療実態の把握】
(3)【DSH症例の遺伝子診断とDUH症例の蓄積】
(4)【外用剤による新規治療法開発:薬剤ライブラリスクリーニングによるADAR1編集補正剤の同定】
(2)【遺伝性対側性及び汎発性色素異常症診断の疫学調査、治療実態の把握】
(3)【DSH症例の遺伝子診断とDUH症例の蓄積】
(4)【外用剤による新規治療法開発:薬剤ライブラリスクリーニングによるADAR1編集補正剤の同定】
結果と考察
遺伝性対側性及び汎発性色素異常症診断基準の確認として、DSHは「ADAR1遺伝子異常による常染色体優性遺伝を示す疾患である。四肢末梢、とくに手背および足背に5ミリ程度の色素斑および脱色素斑が混じった皮疹を示す。顔面に雀卵斑様の証褐色斑を認めることがある。ただし、同じ変異を持つ同一家系の患者同士でも、これらの皮疹の程度は異なることが多く、見落としに注意する必要がある。特徴的な皮疹は6歳までに70%が発症し、成人までは皮疹が進行する可能性がある。」という特徴を確認した。DUHは「常染色体優性遺伝もしくは常染色体劣性遺伝を示す疾患である。原因遺伝子は不明である。DSHと同じ皮疹が体幹にも認められ、体幹から皮疹が出現する症例もある。」。鑑別診断として、網状肢端織沈着症、色素性乾皮症、Dowing-Degos病、老人性色素斑・老人性白斑があげられる。それぞれの疾患の特徴を確認した。
疫学調査による実態調査は準備段階であり、予備調査として、これまで経験した症例を用いた調査を行った。新規治療戦略の開発は、我々はこれまでにスクリーニング系を確立させ、薬剤ライブラリもすでに入手した。DSH症例の遺伝子診断は、本年度これまでにDSHの新規患者5例の遺伝子診断を施行し、3例で疾患の原因となる遺伝子変異を同定した。それらについては英文誌へ報告した。(Kono et al. Int J Dermatol. in press.)DUHに関してはいまだ原因遺伝子も不明のままであり、原因遺伝子同定についても引き続き進めていきたい。
疫学調査による実態調査は準備段階であり、予備調査として、これまで経験した症例を用いた調査を行った。新規治療戦略の開発は、我々はこれまでにスクリーニング系を確立させ、薬剤ライブラリもすでに入手した。DSH症例の遺伝子診断は、本年度これまでにDSHの新規患者5例の遺伝子診断を施行し、3例で疾患の原因となる遺伝子変異を同定した。それらについては英文誌へ報告した。(Kono et al. Int J Dermatol. in press.)DUHに関してはいまだ原因遺伝子も不明のままであり、原因遺伝子同定についても引き続き進めていきたい。
結論
研究期間が短期間であるため、明確な成果は遺伝子診断のみであったが、研究期間終了後も、本研究班で立ち上げたプロジェクトを継続し、患者に貢献していきたいと考えている。
公開日・更新日
公開日
2013-03-01
更新日
-