文献情報
文献番号
201128220A
報告書区分
総括
研究課題名
前頭側頭葉変性症の疫学的検討ならびに診断基準に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H23-難治・一般-064
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中島 健二(鳥取大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 中野 今治(自治医科大学 内科学講座)
- 和田 健二(鳥取大学 医学部付属病院)
- 加藤 信介(鳥取大学 医学部)
- 山田 武史(鳥取大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
前頭葉側頭葉変性症(FTLD)の診断基準に関して,Nearyら(1998),McKhannら(2001),Hodgesら(2001), RascovskyらによるInternational Behavioural Variant FTD Criteria Consortium (FTDC) 基準 (2011)が報告され,認知症を伴う筋萎縮性側索硬化症(ALS-D)についてもStrongらの診断基準(2009)がある.我が国におけるFTLDの臨床的特徴を明らかにし,海外から報告されている診断基準が我が国のFTLD例に適応可能かを検証し,我が国における診断基準の作成に向けて検討する.
研究方法
1)鳥取県におけるFTLD患者を把握して臨床症状を解析し,これまでに海外から報告されている診断基準の妥当性について検討した.
2)ALS患者についてカルテ調査を行ってALS-D例を収集し,これまでに報告されているALS-Dの診断基準の妥当性を検討した.
3)病理学的診断確定例のFTLD例についても臨床情報を収集した.
2)ALS患者についてカルテ調査を行ってALS-D例を収集し,これまでに報告されているALS-Dの診断基準の妥当性を検討した.
3)病理学的診断確定例のFTLD例についても臨床情報を収集した.
結果と考察
1)FTLD有病率は20.7/10万人(45歳以上)であった.
2)FTDC基準の感度は64%であった.記憶障害を示す高齢FTLD例が多く,FTDCに“記憶障害を示す高齢FTLD”への配慮を追加した基準が有用である可能性が考えられた.しかし,FTLDに関する理解が十分でなかった可能性もあり,一層の啓発も必要である.
3)ALS-Dにおいて失語症のみを呈した例以外の全例でFTDCにおけるpossibleの基準を満たし, FTDCの有用性が示された.言語障害型についてはMcKhannらの診断基準で診断が可能で、FTDCとMcKhannの診断基準の併用により全例の診断が可能であった.
4)FTLDの臨床情報や生体試料の収集に向けての全国共同研究体制の整備を検討した.
2)FTDC基準の感度は64%であった.記憶障害を示す高齢FTLD例が多く,FTDCに“記憶障害を示す高齢FTLD”への配慮を追加した基準が有用である可能性が考えられた.しかし,FTLDに関する理解が十分でなかった可能性もあり,一層の啓発も必要である.
3)ALS-Dにおいて失語症のみを呈した例以外の全例でFTDCにおけるpossibleの基準を満たし, FTDCの有用性が示された.言語障害型についてはMcKhannらの診断基準で診断が可能で、FTDCとMcKhannの診断基準の併用により全例の診断が可能であった.
4)FTLDの臨床情報や生体試料の収集に向けての全国共同研究体制の整備を検討した.
結論
1)FTLD有病率は欧米とほぼ同程度であった.
2)FTDC基準に照らし合わせると,診断率は高くなかった.我が国のFTLD診断基準作成において,記憶障害を示す高齢者FTLD例への配慮が必要と考えられた.
3)ALS-DにおけるFTDC基準の有用性も示唆され,FTDCとMcKhannらの診断基準を併用することの有用性が示された.
2)FTDC基準に照らし合わせると,診断率は高くなかった.我が国のFTLD診断基準作成において,記憶障害を示す高齢者FTLD例への配慮が必要と考えられた.
3)ALS-DにおけるFTDC基準の有用性も示唆され,FTDCとMcKhannらの診断基準を併用することの有用性が示された.
公開日・更新日
公開日
2013-03-28
更新日
-