文献情報
文献番号
199701011A
報告書区分
総括
研究課題名
市町村母子保健計画の評価に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成9(1997)年度
研究代表者(所属機関)
北川 定謙(埼玉県衛生部)
研究分担者(所属機関)
- 高野陽(日本子ども家庭総合研究所)
- 笹井康典(大阪府環境保健部)
- 田上豊資(高知県健康福祉部)
研究区分
心身障害研究費補助金 分野名なし 事業名なし
研究開始年度
平成9(1997)年度
研究終了予定年度
-
研究費
0円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1)母子保健計画の評価方法と評価指標の確認を行う。
2)母子保健計画の策定および改訂の方法を明らかにする。
3)市町村母子保健活動の効果的な進め方を明らかにする。
4)市町村母子保健活動の進め方についての啓発活動を行う。
5)母子保健計画の効果的な推進と人材育成のあり方について明らかにする。
2)母子保健計画の策定および改訂の方法を明らかにする。
3)市町村母子保健活動の効果的な進め方を明らかにする。
4)市町村母子保健活動の進め方についての啓発活動を行う。
5)母子保健計画の効果的な推進と人材育成のあり方について明らかにする。
研究方法
1)市町村母子保健計画書を客観的に評価できる指標の開発を行った。
2)その指標に従って全国の市町村母子保健計画書を評価し、結果を数量的にまとめた。
3)母子保健計画の策定プロセスを面接調査により分析するための評価表を作成した。
4)各都道府県で優秀な母子保健計画を策定した市町村への訪問調査を行った。
5)研究班会議で事例検討を行い普遍的な推進要因を整理した。
6)各地で母子保健活動のセミナーを実施し、研究の成果を多くの現場スタッフに伝達した。
7)母子保健活動に関わる人材育成のあり方をディスカッションにより検討した。
8)心の健康づくりに視点をおいた乳幼児検診や育児相談のマニュアルを作成した。
2)その指標に従って全国の市町村母子保健計画書を評価し、結果を数量的にまとめた。
3)母子保健計画の策定プロセスを面接調査により分析するための評価表を作成した。
4)各都道府県で優秀な母子保健計画を策定した市町村への訪問調査を行った。
5)研究班会議で事例検討を行い普遍的な推進要因を整理した。
6)各地で母子保健活動のセミナーを実施し、研究の成果を多くの現場スタッフに伝達した。
7)母子保健活動に関わる人材育成のあり方をディスカッションにより検討した。
8)心の健康づくりに視点をおいた乳幼児検診や育児相談のマニュアルを作成した。
結果と考察
1.市町村母子保健計画書の分析
研究班会議の論議を重ね市町村母子保健計画書を分析するための評価表を作成した。母子保健計画書の分析は全国3,198市町村、58保健所政令市のうち平成8年度に母子保健計画を立てた、2、849市町村および24政令市を研究対象にした。計画書に当然あってしかるべき項目もない市町村も少なからずみられたことは問題である。計画の意義を記載していない計画書が14%、計画の目的が記載していない計画書が23%、母子保健の問題点を記載していない計画書が17%、基本計画が記載されていない計画書が36%、事業計画が記載されていない計画書が16%認められた。望ましい要素のうち、記載している計画書が少なかった項目に、ニーズ調査あり、目標と事業の関連を示した図がある、数値目標あり、重点目標あり、年次計画あり、計画の周知についての記載あり、進行管理についての記載あり、評価計画ありがあった。計画の評価を念頭に入れた計画が少ないことも明らかとなった。
2.優秀な市町村母子保健計画を策定した市町村を対象とした策定プロセス調査の結果
1)背景要因 過去の計画策定の経験、長年の保健所との共同保健活動や過去に受けた研修など、以前からの取り組みの経験が今回の計画づくりに生かされている事例が多くあった。住民の声を聞こうとする首長の基本姿勢、増加した若い転入者への対応に首長が熱心であるなどもあった。活発であった愛育会の活動が促進要因になった場合もあった。
2)計画策定の準備段階では、
(1)計画策定の目的や意義をスタッフで共通理解を得ること、
(2)住民参加型の策定体制の整備の重要性が指摘された。
3)ニーズ把握では、
(1)住民参加型のニーズ把握、
(2)専門的な立場からのニーズ把握の両面の重要性が指摘された。
4)計画化、施策化の段階では、
(1)計画の素案づくりと関係者の合意形成、
(2)目標設定、数値目標の設定、
(3)目標量と達成度の測定方法も記載した実施要領の作成が重要であった。
5)計画の具体化と進行管理では、
(1)予算化、事業化、
(2)地域住民や関係機関への周知と計画の進行管理が強調された。
3.計画の推進に関する研究
心の健康づくり事業に育児不安や虐待への対応も含める重要性があきらかとなった。心の健康づくりに視点を置いた乳幼児検診や育児相談の推進方法をまとめた。助産所における母子支援事業の推進には助産婦のカウンセリング技法についての研修が必要なこと、児童虐待防止に関わるスタッフの育成の重要性と研修内容、育児不安解消のためのカウンセリング研修のあり方、子育てグループのリーダーを育成するための研修のあり方を明らかにした。また、障害者保育についてのマニュアルも作成した。
研究班会議の論議を重ね市町村母子保健計画書を分析するための評価表を作成した。母子保健計画書の分析は全国3,198市町村、58保健所政令市のうち平成8年度に母子保健計画を立てた、2、849市町村および24政令市を研究対象にした。計画書に当然あってしかるべき項目もない市町村も少なからずみられたことは問題である。計画の意義を記載していない計画書が14%、計画の目的が記載していない計画書が23%、母子保健の問題点を記載していない計画書が17%、基本計画が記載されていない計画書が36%、事業計画が記載されていない計画書が16%認められた。望ましい要素のうち、記載している計画書が少なかった項目に、ニーズ調査あり、目標と事業の関連を示した図がある、数値目標あり、重点目標あり、年次計画あり、計画の周知についての記載あり、進行管理についての記載あり、評価計画ありがあった。計画の評価を念頭に入れた計画が少ないことも明らかとなった。
2.優秀な市町村母子保健計画を策定した市町村を対象とした策定プロセス調査の結果
1)背景要因 過去の計画策定の経験、長年の保健所との共同保健活動や過去に受けた研修など、以前からの取り組みの経験が今回の計画づくりに生かされている事例が多くあった。住民の声を聞こうとする首長の基本姿勢、増加した若い転入者への対応に首長が熱心であるなどもあった。活発であった愛育会の活動が促進要因になった場合もあった。
2)計画策定の準備段階では、
(1)計画策定の目的や意義をスタッフで共通理解を得ること、
(2)住民参加型の策定体制の整備の重要性が指摘された。
3)ニーズ把握では、
(1)住民参加型のニーズ把握、
(2)専門的な立場からのニーズ把握の両面の重要性が指摘された。
4)計画化、施策化の段階では、
(1)計画の素案づくりと関係者の合意形成、
(2)目標設定、数値目標の設定、
(3)目標量と達成度の測定方法も記載した実施要領の作成が重要であった。
5)計画の具体化と進行管理では、
(1)予算化、事業化、
(2)地域住民や関係機関への周知と計画の進行管理が強調された。
3.計画の推進に関する研究
心の健康づくり事業に育児不安や虐待への対応も含める重要性があきらかとなった。心の健康づくりに視点を置いた乳幼児検診や育児相談の推進方法をまとめた。助産所における母子支援事業の推進には助産婦のカウンセリング技法についての研修が必要なこと、児童虐待防止に関わるスタッフの育成の重要性と研修内容、育児不安解消のためのカウンセリング研修のあり方、子育てグループのリーダーを育成するための研修のあり方を明らかにした。また、障害者保育についてのマニュアルも作成した。
結論
望ましい母子保健計画づくりのポイントが整理され、今後の人材育成や心の健康をふまえたサービスのあり方が検討された。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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