文献情報
文献番号
201128204A
報告書区分
総括
研究課題名
本邦における非古典型21水酸化酵素欠損症の実態把握と診断・治療指針の作成
課題番号
H23-難治・一般-048
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 行洋(東京都立小児総合医療センター 内分泌・代謝科)
研究分担者(所属機関)
- 鹿島田 健一(東京医科歯科大学 発生発達病態学)
- 石井 智弘(慶應義塾大学 医学部 小児科学教室)
- 田島 敏広(北海道大学 小児科)
- 横田 一郎(国立病院機構香川小児病院 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
目的は、本邦における非古典型21水酸化酵素欠損症(以下、本症)の疾患頻度、診療実態を把握し、診断・治療指針を作成することである。
研究方法
1)札幌市での疫学的検討
研究分担者の田島が、2009年度末まで27年間に札幌市NSをうけた新生児を追跡調査した。すなわち、同期間の札幌市における本症の罹患率を算出した。
2)新潟県での疫学的検討
研究分担者の長崎が、2008年度末まで20年間に新潟県マススクリーニング検査をうけた新生児を追跡調査した。すなわち、同期間の新潟県における本症の罹患率を算出した。
3)全国疫学/実態調査のためのアンケート
小児内分泌学会の評議員135名に対し、平成23年6月上旬にアンケート調査を送付した。本症の疑いがある患者を診療していると答えた医師に対しては、同年7月に2次調査を行い、症例の詳細を確認した。
研究分担者の田島が、2009年度末まで27年間に札幌市NSをうけた新生児を追跡調査した。すなわち、同期間の札幌市における本症の罹患率を算出した。
2)新潟県での疫学的検討
研究分担者の長崎が、2008年度末まで20年間に新潟県マススクリーニング検査をうけた新生児を追跡調査した。すなわち、同期間の新潟県における本症の罹患率を算出した。
3)全国疫学/実態調査のためのアンケート
小児内分泌学会の評議員135名に対し、平成23年6月上旬にアンケート調査を送付した。本症の疑いがある患者を診療していると答えた医師に対しては、同年7月に2次調査を行い、症例の詳細を確認した。
結果と考察
【結果】
札幌市、新潟県における罹患率は出生100万当たりそれぞれ2.0人(95%信頼区間0.0~5.9)、2.1人(0.0~6.2)であった。診療実態調査からは、1)発症時期が2~24歳と幅広いこと 2)血中17OHP基礎値およびACTH負荷後頂値がそれぞれ5.8~140.0 ng/mL(中央値22.4)、26.0~367.0 ng/mL(122.5)と幅広く分布していたこと 3)CYP21A2遺伝子型として12症例中8例がP30L、6例がR356Wを少なくとも1アリルに持っていたことが判明した。
【考察】
今後は,判明した本症の多様性を考慮し,感度・特異度の高い臨床的有用性の高い診断基準の確定を進める必要がある。
札幌市、新潟県における罹患率は出生100万当たりそれぞれ2.0人(95%信頼区間0.0~5.9)、2.1人(0.0~6.2)であった。診療実態調査からは、1)発症時期が2~24歳と幅広いこと 2)血中17OHP基礎値およびACTH負荷後頂値がそれぞれ5.8~140.0 ng/mL(中央値22.4)、26.0~367.0 ng/mL(122.5)と幅広く分布していたこと 3)CYP21A2遺伝子型として12症例中8例がP30L、6例がR356Wを少なくとも1アリルに持っていたことが判明した。
【考察】
今後は,判明した本症の多様性を考慮し,感度・特異度の高い臨床的有用性の高い診断基準の確定を進める必要がある。
結論
1)本邦における本症の罹患率は出生約50万人に1人、15才未満における有病率は少なくとも約200万人に1人と推定でき、欧米に比し低いことが判明した。
2)本症の臨床的表現型・生化学的性質・遺伝子型は従来の報告より幅広い可能性がある。
2)本症の臨床的表現型・生化学的性質・遺伝子型は従来の報告より幅広い可能性がある。
公開日・更新日
公開日
2015-06-10
更新日
-