文献情報
文献番号
201128202A
報告書区分
総括
研究課題名
Coffin-Siris症候群の遺伝要因の解明
課題番号
H23-難治・一般-046
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
松本 直通(横浜市立大学 医学研究科 環境分子医科学教室)
研究分担者(所属機関)
- 岡本 伸彦(大阪府立母子保健総合医療センター 遺伝診療科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
Coffin-Siris症候群(以下CSSと称す)は、軽度?中等度の精神遅滞・中等度以上の低緊張・てんかん・粗な顔貌と手足第5指の低形成などの奇形兆候を特徴と多発奇形・精神遅滞症候群の一つである。本研究は、CSSを対象に近年の技術革新によって可能となったヒト全遺伝子のエクソン領域(全エクソーム)の解析を行いその遺伝的原因を明らかにすることを目的とした。
研究方法
CSS典型例5例に対して全エクソーム解析を施行した。3例については両親を加えたトリオ解析を行った。情報解析としてMAQとNextGENEを併用して効率よく遺伝子変異を同定するシステムを構築した。
結果と考察
2例でde novo変異を呈したCSS1(未発表のため仮称とする)の同定に成功した。CSS23症例中CSS1の異常に関連した症例は20例であった(87%)。変異が明らかになった症例毎に詳細な臨床情報を分析し、遺伝子変異が惹起する臨床病型が明らかとなった。神経発達異常・外胚葉系異常・顔貌異常・骨格系・消化管系異常・その他と多彩な臨床症状を呈していた(論文投稿中)。特に第5指の爪低形成は診断上重要な所見であった。
結論
当初目的としていたCSSの責任遺伝子単離に成功しその成果を現在投稿中である。CSSの責任遺伝子を利用した疾患遺伝子の検証法で特許出願した。CSSの正確な遺伝子診断が可能になった。本研究を通じて次世代シーケンサーによる全エクソン領域(エクソーム)解析の解析系の有効性が明示された。
公開日・更新日
公開日
2013-03-10
更新日
-