文献情報
文献番号
201128200A
報告書区分
総括
研究課題名
Pantothenate kinase-associated neurodegeneration(PKAN)の診断基準作成と実態調査に関する研究
課題番号
H23-難治・一般-044
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
長谷川 一子(独立行政法人 国立病院機構 相模原病院 相模原病院臨床研究センター 神経内科)
研究分担者(所属機関)
- 一瀬 宏(東京工業大学大学院生命理工学研究科・生化学)
- 豊島 至(独立行政法人 国立病院機構 秋田病院 神経内科)
- 舟塚 真(東京女子医科大学小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
PKANは錐体外路症状と球麻痺症状,知的機能低下を来す疾患で,小児期発症の常染色体性劣性遺伝疾患である.遺伝子診断が可能となり,MRIで特異徴候が同定可能となった. MRIの普及によりPKANはNBIAへと疾患概念が変遷し, PKANはNBIA type1, NBIA type2がinfantile neuroaxonal dystrophy,type3がneuroferritinotpathy,type4がaceruloplasminemia,type5がfatty acid hydroxylase associated neurodegenerationと呼称される.本研究の目的は我が国に於けるNBIAの頻度,遺伝子検査,治療状況を明らかにすることにある.
研究方法
NBIAの診断指針の作成は文献によった. 遺伝子診断システムは遺伝子関連の学会および神経学会の遺伝子診断の指針を遵守して構築した. (倫理面への配慮)本研究は、国立病院機構相模原病院および東京工業大学の倫理委員会の承認のもとに行った.
結果と考察
結果: NBIAと診断された症例は61名,遺伝子診断は11例で施行済みだった.神経病理学会からはNBIA-1 症例,NBIA-3 例,神経放射線からはNBIA-1 2例,NBIA-3 1例,NBIA-4 1例であった.神経学会からはNBIA-1 2例,NBIA-3 1例で,NBIA-4が11 例で,9症例は病型分類不能だった.小児神経専門医ではNBIA-1 13例(遺伝子診断確定例 5例) NBIA-2 5例,NBIA-5 2症例,病型分類不能例 4症例だった.精神発達遅滞,または認知障害を示し,痙性四肢麻痺とジストニア,言語障害を認め,ほぼ全介助の状態にあった.DBSが4例,凝固術が1例で施行され,一部有効だった.
考察:NBIAはおそらく全国で100人程度の症例の存在が推定できる.小児期発症例ではtype1, 2が多く,成人発症ではtype3,4の頻度が高かった.パーキンソン病およびジストニア関連の遺伝子との関連で,NBIAの関与も想定され,NBIAに対する関心が持続することも望まれる.
考察:NBIAはおそらく全国で100人程度の症例の存在が推定できる.小児期発症例ではtype1, 2が多く,成人発症ではtype3,4の頻度が高かった.パーキンソン病およびジストニア関連の遺伝子との関連で,NBIAの関与も想定され,NBIAに対する関心が持続することも望まれる.
結論
NBIAと認定された症例は61例で,小児期発症例はNBIA-1,成人発症はNBIA-4が多かった.本調査からNBIA症例は100人内外と思われる.
公開日・更新日
公開日
2013-03-10
更新日
-