文献情報
文献番号
201128196A
報告書区分
総括
研究課題名
サブテロメア微細構造異常症の実態把握と医療管理指針作成に関する研究
課題番号
H23-難治・一般-040
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
黒澤 健司(地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
研究分担者(所属機関)
- 大橋 博文(埼玉県立小児医療センター 遺伝科)
- 岡本 伸彦(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター)
- 水野 誠司(愛知県心身障害者コロニー中央病院)
- 升野 光雄(川崎医療福祉大学 医療福祉学部医療福祉学科)
- 蒔田 芳男(旭川医科大学 教育センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「原因不明」とされた先天異常・多発奇形・精神遅滞の5-10%はサブテロメア微細構造異常に起因する。高い発生頻度を呈しながら、現在までわが国にではこのサブテロメア微細構造異常症の実態・発生頻度や合併症管理・治療指針が殆ど明らかにされていない。サブテロメア微細構造異常症の正確な臨床評価と発生頻度推定を行い、対応困難である本症の治療指針を作成し、患者および患者家族への研究成果の還元を図ることを目的として研究を進めた。
研究方法
1.変異検索・データベース作成、新しいサブテロメア微細欠失症候群の確立:
定点観測を目的に、2009年12月から2010年10月に当センターの遺伝科外来を受診し染色体検査を行った390例のうち、G分染では正常核型であるが臨床診断が未確定の90例についてサブテロメア微細構造異常症をスクリーニングした。
2.疾患の自然歴のまとめ、および自然歴にもとづいた医療管理指針の作成:
共同研究施設である、我が国の代表的小児病院での診療に基づいた、サブテロメア微細構造異常症の自然歴を各施設でまとめた。
3.実数把握、発生頻度の推定
神奈川県立こども医療センターでの定点観測による発生頻度、変異検出率から、実数把握と発生頻度の推定を行った。
4.生体試料の収集と保存
EBVによる株化保存をおこなった。
定点観測を目的に、2009年12月から2010年10月に当センターの遺伝科外来を受診し染色体検査を行った390例のうち、G分染では正常核型であるが臨床診断が未確定の90例についてサブテロメア微細構造異常症をスクリーニングした。
2.疾患の自然歴のまとめ、および自然歴にもとづいた医療管理指針の作成:
共同研究施設である、我が国の代表的小児病院での診療に基づいた、サブテロメア微細構造異常症の自然歴を各施設でまとめた。
3.実数把握、発生頻度の推定
神奈川県立こども医療センターでの定点観測による発生頻度、変異検出率から、実数把握と発生頻度の推定を行った。
4.生体試料の収集と保存
EBVによる株化保存をおこなった。
結果と考察
1.変異検索・データベース作成、新しいサブテロメア微細欠失症候群の確立
診断未定多発奇形・発達遅滞119例で5例(4.2%)で検出可能であった。MLPAは、サブテロメア微細構造異常症の診断としてコストおよび迅速性において極めて有用な解析技術であった。変異検出率は海外での報告とほぼ一致した値であった。
2.疾患の自然歴のまとめ、および自然歴にもとづいた医療管理指針の作成
代表的なサブテロメア微細構造異常症についてまとめた。
3.実数把握、発生頻度の推定
診断未定多発奇形・発達遅滞症例119例中に5例(4.2%)の臨床的意義のあるサブテロメア微細構造異常症を検出し、約4000-7000出生に1例となることが予想された。
4.生体試料の収集と保存
リンパ芽球の株化による保存は5例で達成できた。
診断未定多発奇形・発達遅滞119例で5例(4.2%)で検出可能であった。MLPAは、サブテロメア微細構造異常症の診断としてコストおよび迅速性において極めて有用な解析技術であった。変異検出率は海外での報告とほぼ一致した値であった。
2.疾患の自然歴のまとめ、および自然歴にもとづいた医療管理指針の作成
代表的なサブテロメア微細構造異常症についてまとめた。
3.実数把握、発生頻度の推定
診断未定多発奇形・発達遅滞症例119例中に5例(4.2%)の臨床的意義のあるサブテロメア微細構造異常症を検出し、約4000-7000出生に1例となることが予想された。
4.生体試料の収集と保存
リンパ芽球の株化による保存は5例で達成できた。
結論
各サブテロメア構造異常疾患を1例として発生頻度を評価するとその値は極めて低いものの、実際には総体として見た場合には決して発生頻度が低い疾患とは言えない。疾患を拡大し、また解析技術としてのマイクロアレイCGHの導入の加速が今後の大きな課題である。
公開日・更新日
公開日
2015-06-10
更新日
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