文献情報
文献番号
201128191A
報告書区分
総括
研究課題名
原発性中性脂肪蓄積心筋血管症に対する医師主導型治験へのアプローチ
研究課題名(英字)
-
課題番号
H23-難治・一般-035
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
平野 賢一(大阪大学大学院 医学系研究科循環器内科)
研究分担者(所属機関)
- 瀬藤 光利(浜松医科大学 分子解剖学)
- 池田 善彦(国立循環器病研究センター 臨床検査部病理)
- 小谷 順一(国立循環器病研究センター 心臓血管内科・循環器内科学)
- 内藤 博昭(国立循環器病研究センター)
- 中村 浩士(山口大学医学部 地域医療推進学講座)
- 石田 良雄(関西労災病院 核医学診断部・循環器内科)
- 中谷 大作(大阪大学医学部附属病院 ハートセンター)
- 井田 博幸(東京慈恵会医科大学 小児科学講座)
- 安井 洋子(大阪大学医学部附属病院 栄養管理室)
- 木原 章雄(北海道大学大学院薬学研究院)
- 裏出 良博((財)大阪バイオサイエンス研究所)
- 千葉 仁志(北海道大学大学院保健科学研究院)
- 隅 寿恵(大阪大学大学院医学系研究科 情報統合医学講座)
- 戸田 達史(神戸大学大学院 医学研究科 神経内科学/分子脳科学)
- 朝長 毅(独立行政法人 医薬基盤研究所 タンパク質科学)
- 福嶌 教偉(大阪大学大学院医学系研究科)
- 千葉 俊明(琉球大学大学院医学研究科 細胞病理学講座)
- 木村 正(大阪大学大学院医学系研究科 産科学婦人科学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
中性脂肪蓄積心筋血管症 (Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy, TGCV) は、申請者ら見出した新規疾患単位であり、中性脂肪が心筋、冠状動脈硬化巣などに蓄積する結果、重症心不全、不整脈、虚血性心疾患などを来す難病である。原発性TGCVの原因は細胞内中性脂肪分解の必須酵素であるadipose triglyceride lipase (ATGL)の遺伝的欠損である。本研究は、診断法開発、我々が開発した中鎖脂肪酸 (Medium chain fatty acid, MCFA) を含有する栄養療法が有効であるか否かを検討する医師主導型治験のプロトコール作成、TGCVモデル動物に対して栄養療法の効果の検討、MCFAの細胞内動態についての検討、原発性TGCV 症例の情報収集することを目的とする。
研究方法
1) 質量顕微鏡による脂質分布の検討、血液自動分析機における末梢血中の白血球空胞化を検出することによるTGCVの診断法の開発
2) MCFAを用いた食事療法の開発とATGL KOマウスを用いた効果の検討
3) ATGL遺伝子変異の集積する地域集団の発見と住民健診の実施
4) 食事療法の臨床試験のための食事療法の開発と試験のプロトコール作成
5) 患者支援体制や国際研究協力体制の構築
2) MCFAを用いた食事療法の開発とATGL KOマウスを用いた効果の検討
3) ATGL遺伝子変異の集積する地域集団の発見と住民健診の実施
4) 食事療法の臨床試験のための食事療法の開発と試験のプロトコール作成
5) 患者支援体制や国際研究協力体制の構築
結果と考察
1) TGCVの診断法の開発については、質量顕微鏡を用いて脂質分布の違いを明らかにした。また、血液自動分析機において、白血球の空胞化を検出可能なパラメータを見出し、臨床でのスクリーニングに応用できるか検討している。
2) MCFAを用いた食事療法を開発した。ATGL KOマウスを用いた検討で、その効果を確認した。MCFAの細胞内代謝の詳細については、現在検討を継続して実施している。
3) 本邦におけるATGL遺伝子変異の集積する地域集団を発見し、住民を対象とした健診を行い、多くのデータを収集した。
4) 食事療法の臨床試験を行うために、食事療法の開発、試験のプロトコール作成などを行った。
5) 患者支援体制を整えた。また、国際研究協力体制も構築し、症例の国際登録システムの構築の準備を行っている。
2) MCFAを用いた食事療法を開発した。ATGL KOマウスを用いた検討で、その効果を確認した。MCFAの細胞内代謝の詳細については、現在検討を継続して実施している。
3) 本邦におけるATGL遺伝子変異の集積する地域集団を発見し、住民を対象とした健診を行い、多くのデータを収集した。
4) 食事療法の臨床試験を行うために、食事療法の開発、試験のプロトコール作成などを行った。
5) 患者支援体制を整えた。また、国際研究協力体制も構築し、症例の国際登録システムの構築の準備を行っている。
結論
原発性TGCVを一日でも早く克服するため、本症に対する診断法、治療法の開発を行った。開発した栄養療法の臨床試験実施プロトコールを作成するとともに、その実用化に向けて準備を行った。
公開日・更新日
公開日
2013-03-28
更新日
-