強皮症における病因解明と根治的治療法の開発

文献情報

文献番号
201128185A
報告書区分
総括
研究課題名
強皮症における病因解明と根治的治療法の開発
課題番号
H23-難治・一般-029
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
佐藤 伸一(東京大学医学部附属病院 皮膚科)
研究分担者(所属機関)
  • 浅野 善英(東京大学医学部附属病院 皮膚科)
  • 石川 治(群馬大学大学院医学系研究科 皮膚病態学)
  • 尹 浩信(熊本大学大学院医学薬学研究部 皮膚機能病態学)
  • 遠藤 平仁(東邦大学医療センター大森病院リウマチ膠原病センター)
  • 川口 鎮司(東京女子医科大学附属病院膠原病リウマチ痛風センター 膠原病)
  • 桑名 正隆(慶應義塾大学医学部リウマチ内科)
  • 後藤 大輔(筑波大学大学院人間総合科学研究科膠原病リウマチアレルギー内科)
  • 高橋 裕樹(札幌医科大学医学部第一内科,臨床 免疫学)
  • 波多野 将(東京大学医学部附属病院 循環器内科)
  • 藤本 学(金沢大学大学院医学系研究科 血管新生・結合学組織代謝学(皮膚科))
  • 山本 俊幸(福島県立医科大学医学部 皮膚科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
18,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 全身性強皮症(以下、強皮症)は皮膚および肺、腎、消化管、心をはじめとする内臓諸臓器を系統的に侵す慢性疾患であり、膠原病に分類される。本研究の目的は、実績のある強皮症の専門家を集め研究チームを編成することによって、強皮症の病因解明、そして根治的治療法の開発を行うことである。
研究方法
基礎研究では、①Notchシグナル、microRNAの関与、②転写因子Fli1をターゲットとした薬剤の同定、③疾患感受性遺伝子の同定、④強皮症動物モデルなどを用いた薬剤の有効性のスクリーニングなどを行った。臨床研究では、①臓器病変について、早期診断や予後予測に関連する臨床研究、②重症型SSc早期例の登録事業のデータから、活動性や予後を反映する分子の同定などを行った。
結果と考察
結果と考察
1. 基礎研究
①Notch1,3発現量低下、microRNA196aの発現減少を明らかにした。②Fli1をターゲットとした治療薬としてボセンタンを同定した。
③疾患感受性遺伝子としてUBE2L3を同定した。④有効性が期待される薬剤として、アトロバスタチン、sunitinib、抗IL-6R抗体などを同定した。
2. 臨床研究
①早期診断基準案を作成した。また、肺高血圧症の早期診断法の提示を行うとともに、肺高血圧症に至る段階的な血行動態についても明らかにした。さらに、間質性肺疾患の自然経過、間質性肺疾患に対する6分間歩行の早期診断としての有用性なども明らかにした。②重症型強皮症早期例の登録事業より、MCP-1, MIG, IP-10、IL-8が皮膚硬化の変化と相関があることを明らかにした。
結論
 強皮症の主要病態、特に線維化が起こるメカニズムの解明、強皮症の一元化病態仮説の確立、早期診断に関連する臓器病変の評価法の確立、予後予測因子の抽出などにおいて成果が得られた。

公開日・更新日

公開日
2013-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128185Z