難治性膵疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128183A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性膵疾患に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-027
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
下瀬川 徹(東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 雅夫(九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科)
  • 武田 和憲(国立病院機構仙台医療センター外科)
  • 片岡 慶正(大津市民病院、京都府立医科大学消化器内科学(兼務))
  • 竹山 宜典(近畿大学医学部外科学(肝胆膵部門))
  • 伊藤 鉄英(九州大学大学院医学研究院病態制御内科学・膵臓病学(膵臓研究室))
  • 木原 康之(北九州総合病院)
  • 成瀬 達(みよし市民病院)
  • 石黒 洋(名古屋大学 総合保健体育科学センター/医学系研究科健康栄養医学(兼任))
  • 阪上 順一(京都府立医科大学消化器内科)
  • 丹藤 雄介(弘前大学医学部附属病院内分泌代謝内科学)
  • 廣岡 芳樹(名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部)
  • 岡崎 和一(関西医科大学内科学第三講座消化器内科学)
  • 神澤 輝実(東京都立駒込病院内科)
  • 川 茂幸(信州大学総合健康安全センター)
  • 乾 和郎(藤田保健衛生大学坂文種報德會病院消化器内科)
  • 糸井 隆夫(東京医科大学消化器内科)
  • 峯 徹哉(東海大学医学部消化器内科)
  • 能登原 憲司(倉敷中央病院病理検査科)
  • 平野 賢二(東京大学消化器内科)
  • 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科学)
  • 真弓 俊彦(一宮市立市民病院診療局救命救急センター)
  • 伊佐地 秀司(三重大学大学院医学系研究科病態修復医学講座肝胆膵移植外科学)
  • 大原 弘隆(名古屋市立大学大学院医学研究科生体防御・総合医学専攻地域医療教育学分野)
  • 佐田 尚宏(自治医科大学消化器一般外科、鏡視下手術部)
  • 大西 洋英(秋田大学大学院医学系研究科消化器内科)
  • 太田 哲生(金沢大学医薬保健研究域医学系がん局所制御学)
  • 木村 理(山形大学医学部外科学第一講座(消化器・乳腺甲状腺・一般外科))
  • 杉山 政則(杏林大学医学部消化器外科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
48,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成23年度は、平成20-22年度に得られた調査結果を基礎として理想的な診療体系を提言し、また、本研究班が提案した診断基準、診療指針の妥当性に関する評価を行う。急性膵炎・重症急性膵炎では、重症急性膵炎治療のゴールデンタイムを設定し、致命率改善のために最も有効な診療体系を提言する。慢性膵炎では、慢性膵炎臨床診断基準2009の妥当性を評価し、患者予後の改善を目指した診断・治療法を提言する。自己免疫性膵炎では、国際コンセンサス診断基準(ICDC)の妥当性を評価し、これをベースにわが国の診断基準の改訂を行う。本邦の膵嚢胞線維症患者の現状を調査し、より有効な治療が患者に提供できるような診療体系を構築する。
研究方法
平成23年度は、平成20-22年度に作成あるいは改訂した膵疾患診療に関する各種診断基準、ガイドライン、指針の妥当性について様々な観点から評価を行った。また、膵炎診療のエビデンス形成のため、いくつかの課題についてランダム化比較試験を企画し、試験実施を推進した。また、新しい診断法、治療法開発のために多施設共同研究を立案・実行した。
結果と考察
急性膵炎・重症急性膵炎では、重症膵炎患者の治療開始および専門医療施設への搬送のゴールデンタイムを発症後48時間以内と設定し、患者を送る側と受け入る側のアンケート調査を通じてよりよい診療連携について分析した。また、急性膵炎の診療実態に関するアンケート調査を行い、診療報酬上の問題点を指摘した。急性膵炎早期診断、壊死性膵炎の早期予測法として、尿中トリプシノーゲン2ステイック法の有用性、perfusion CTの有用性に関する多施設共同研究をさらに展開した。慢性膵炎では、慢性膵炎臨床診断基準2009の妥当性を検討し、早期慢性膵炎および慢性膵炎疑診例の前向き予後調査を進めた。自己免疫性膵炎では、ICDCの妥当性を検討し、ICDCをベースとしてわが国の診断基準を改訂した。膵嚢胞線維症では第4回膵嚢胞線維症全国調査結果に基づいて、患者診療上の問題点として未承認薬の使用状況を調査した。
結論
平成23年度は、平成20-22年度の本研究班の成果をもとに、難治性膵疾患のよりよい診療体系を提言するとともに、これまで提案してきた診断基準、診療ガイドラインの有効性、妥当性に関して評価を行った。当初設定した各課題をほぼ達成できたと考えている。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2013-02-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128183Z