呼吸不全に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128180A
報告書区分
総括
研究課題名
呼吸不全に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-024
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
三嶋 理晃(京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)
研究分担者(所属機関)
  • 西村 正治(北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野)
  • 中田 光(新潟大学医歯学総合病院生命科学医療センター)
  • 海老名 雅仁(東北大学大学院医学系研究科呼吸器病態学分野)
  • 巽 浩一郎(千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学)
  • 瀬山 邦明(順天堂大学医学部呼吸器内科)
  • 赤柴 恒人(日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野)
  • 別役 智子(慶應義塾大学医学部呼吸器内科)
  • 長瀬 隆英(東京大学大学院医学系研究科呼吸器内科学)
  • 永井 厚志(東京女子医科大学第一内科学講座)
  • 久保 惠嗣(信州大学医学部内科学第一講座)
  • 谷口 博之(公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科)
  • 伊達 洋至(京都大学大学院医学研究科器官外科学講座呼吸器外科学)
  • 陳 和夫(京都大学大学院医学研究科呼吸管理睡眠制御学)
  • 中西 宣文(国立循環器病センター心臓血管内科部門肺循環科)
  • 井上 義一(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター)
  • 裏出 良博((財)大阪バイオサイエンス研究所第2研究部・分子行動生物学部門)
  • 木村 弘(奈良県立医科大学内科学第二講座)
  • 横山 彰仁(高知大学医学部血液・呼吸器内科学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
37,692,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
呼吸不全を来たす難治性呼吸器疾患である7つの疾患群(若年発症肺気腫(若年発症COPD)、リンパ脈管筋腫症(LAM)、ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)、肥満低換気症候群(OHS)、肺胞低換気症候群(PAHS)、肺動脈性肺高血圧症(PAH)、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH))を横軸とし、疫学・病態解析・診断・原疾患治療を縦軸とする2次元的発想で、呼吸不全の予防と治療の標準化を目指す。
研究方法
疫学、生理学、病理学、分子生物学、遺伝子学的な多面的アプローチから臨床および基礎研究を実施した。
結果と考察
対象7疾患に対する包括的疫学調査として、患者数に関する全国調査と共に、インターネット経由の症例登録を継続した。若年発症COPDに関しては、疫学調査研究と共に、動物モデルを用いた発症機序に関する研究や、病態に関する研究として、気道分泌、栄養状態、肺機能との関係や、肺高血圧、肺線維症、肺癌との合併や増悪に関する検討などを実施した。LAMについては、2009年に特定疾患に新規認定されたことをうけて、今年度初めて臨床調査個人票を用いた疫学調査が可能となり、わが国の実態の一端が明らかとなった。また、治療については、MILES試験の結果を踏まえて国内でのシロリムス実用化に向けて、長期投与の安全性データの取得を目指し、第Ⅱ相医師主導治験の準備を開始した。難病治療に向けた新たな展開が期待される。また、本年度も引き続き、患者会と共同で勉強会を開催し、LAMに関する情報提供と共に、相互交流を行った。LCHに関しては、小児血液学会HLH/LCH委員会と共同して疫学調査を行うことで、これまでの成人のみの調査だけでなく、小児から成人までの全年齢のLCH症例を対象に肺病変に焦点をあてて調査を実施した。OHSに関しては、前向き疫学研究により、わが国におけるOHSの頻度やCPAP治療の効果など病態の一端が明らかとなってきた。PAH、CTEPHは、特定疾患改訂後、初めて臨床調査個人票を用いた調査が可能となり、有病率、病態などが明らかとなった。呼吸不全治療に関する研究として、肺移植適応患者、在宅NPPV療法中の慢性呼吸不全患者の予後とQOLの調査研究に関しては、症例登録を蓄積した。
結論
呼吸不全関連7疾患の発症機序、病態、予後との関連や治療に関する新たな知見を得た。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128180Z