神経変性疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128171A
報告書区分
総括
研究課題名
神経変性疾患に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中野 今治(自治医科大学 医学部 内科学講座 神経内科学部門)
研究分担者(所属機関)
  • 祖父江 元(名古屋大学大学院 医学系研究科 )
  • 戸田 達史(神戸大学大学院医学研究科)
  • 中島 健二(鳥取大学医学部)
  • 長谷川 一子((独)国立病院機構 相模原病院)
  • 水澤 英洋(東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 饗場 郁子((独)国立病院機構 東名古屋病院)
  • 青木 正志(東北大学大学院医学系研究科)
  • 阿部 康二(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科)
  • 漆谷 真(滋賀医科大学 分子神経科学研究センター)
  • 岡本 幸市(群馬大学大学院医学系研究科 )
  • 小野寺 理(新潟大学 脳研究所)
  • 郭 伸(東京大学大学院医学系研究科)
  • 梶 龍兒(徳島大学大学院 ヘルスバイオサイエンス研究部)
  • 柏原 健一(岡山旭東病院)
  • 川上 秀史(国立大学法人 広島大学 原爆放射線医科学研究所)
  • 吉良 潤一(九州大学大学院医学研究院)
  • 桑原 聡(千葉大学大学院医学研究院)
  • 小久保 康昌(三重大学大学院医学系研究科)
  • 斎藤 加代子(東京女子医科大学附属遺伝子医療センター)
  • 佐々木 秀直(北海道大学大学院医学研究科)
  • 佐野 輝(鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科)
  • 園生 雅弘(帝京大学医学部)
  • 高橋 均(新潟大学 脳研究所)
  • 高橋 良輔(京都大学医学研究科)
  • 徳田 隆彦(京都府立医科大学)
  • 野元 正弘(愛媛大学大学院医学系研究科)
  • 長谷川 成人((財)東京都医学総合研究所)
  • 服部 信孝(順天堂大学医学部)
  • 藤本 健一(自治医科大学)
  • 船越 洋(旭川医科大学医学部 教育研究推進センター)
  • 三輪 英人(和歌山県立医科大学)
  • 村田 美穂((独)国立精神・神経医療研究センター病院)
  • 村山 繁雄((独)東京都健康長寿医療センター研究所)
  • 望月 秀樹(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 山中 宏二((独)理化学研究所 脳科学総合研究センター)
  • 吉田 眞理(愛知医科大学 加齢医科学研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
92,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ALS、SMA、SBMA、原発性側索硬化症、PD、PSP、CBD、ハンチントン病HD、有棘赤血球舞踏病および脊髄空洞症において、病態解明と治療法開発、診断・認定基準および個票の改訂、疫学調査、対症療法・介護法の開発改善を目指す
研究方法
1. プロジェクト研究
1)コホート集積と生体試料の収集:ALSの多施設共同コホート研究(JaCALS)や班員独自の試料収集体制がPD、SMA、ChAで稼働.生体試料収集の体制を整えた.ALSと関連の深い前頭側頭型変性症(FTLD)でもその準備を始めた
2)バイオマーカー探索
3)疫学班と協力して疾患の実状を把握
4)診療ガイドライン作成
5)PD遺伝子治療研究の継続
6)HD治験
2.個別研究の推進:先端機器を用い、最新技術を駆使して個別研究を進め、病態機序の解明、治療法の開発および対症療法の向上を目指した
結果と考察
1. プロジェクト研究
1)JaCALSには多数例(ALS616例、対照200例(2011年11月))の試料が集積されており、予後規定因子の解析が行われた.また、複数のALS研究プロジェクトにも試料を提供し、論文発表に貢献した.ALSの進行関連因子の解析が行われた.FTLDの生体試料収集の手始めとして鳥取県で実態調査を行った
2)疾患特異的なバイオマーカー、特に臨床診断が困難なPD、PSPおよびCBDを主体にして探索し、診断基準の強化、治験組み入れ症例の均質化、治療効果判定の向上を目指した
3)疫学班と協力してALSの臨床調査個人票を用いた疫学研究を実施した.2012年度からは疫学班班員が変性班分担研究者に就任する
4)診療ガイドライン作成:日本神経学会ALS診療ガイドライン作成委員会が2011年に発足し、変性班主任研究者である中野が委員長に、変性班班員が数多く委員に就任して、ALS診療ガイドラインの作成に取り組んでいる
5)PD遺伝子治療研究の継続: AAV-AADCを用いた遺伝子治療に対する患者の期待は高く、AAV-AADC+AAV-TH (+AAV-GCH)の将来的導入を目指して準備研究を継続した.このPDの遺伝子治療技術を応用してAADC欠損症患児の国際臨床研究を実施し、良好な効果を得た
6)当班で実施したUHDRS邦訳版の信頼性検定結果に基づいて、HDに対するテトラベナジン治験が開始され、舞踏運動の改善が見られている
2.個別研究:多くの優れた成果が得られた.特に、ALSのprionoid説を否定しうる結果が針筋電図を用いた臨床研究で示された意義は大きい
結論
プロジェクト研究と個別研究を推し進め、多くの成果を挙げた

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128171Z