アミロイドーシスに関する調査研究

文献情報

文献番号
201128168A
報告書区分
総括
研究課題名
アミロイドーシスに関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
安東 由喜雄(熊本大学 大学院生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 山田 正仁(金沢大学 医薬保健研究域医学系脳老化・神経病態学)
  • 池田 修一(信州大学 医学部内科学 (脳神経内科、リウマチ・膠原病内科))
  • 樋口 京一(信州大学 大学院医学系研究科加齢生物学分野)
  • 玉岡 晃(筑波大学 大学院人間総合科学研究科神経病態学分野)
  • 高市 憲明(虎の門病院 腎センター)
  • 山田 俊幸(自治医科大学 臨床検査医学)
  • 内木 宏延(福井大学 医学部医学科分子病理学領域)
  • 本宮 善恢(医療法人翠悠会(社団))
  • 今井 裕一(愛知医科大学 医学部腎臓・リウマチ膠原病内科)
  • 吉崎 和幸(大阪大学 大学院工学研究科免疫医科学グループ)
  • 東海林 幹夫(弘前大学 大学院医学研究科脳神経内科学)
  • 麻奥 英毅(広島赤十字・原爆病院 検査部)
  • 奥田 恭章(道後温泉病院 リウマチセンター)
  • 水口 峰之(富山大学 大学院医学薬学研究部(薬学)構造生物学研究室)
  • 工藤 幸司(東北大学 未来医工学治療開発センター)
  • 水澤 英洋(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科脳神経病態学)
  • 星井 嘉信(山口大学医学部附属病院 病理部)
  • 西 慎一(神戸大学 大学院医学研究科腎臓内科腎・血液浄化センター)
  • 畑 裕之(熊本大学医学部附属病院 血液内科)
  • 宇根有美(麻布大学 獣医学部獣医学科病理学研究室)
  • 岩坪 威(東京大学 大学院医学系研究科神経病理学)
  • 小池 春樹(名古屋大学医学部附属病院 神経内科)
  • 島崎 千尋(社会保険京都病院 血液内科)
  • 大林 光念(熊本大学医学部附属病院 中央検査部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
アミロイドーシスの分子病態メカニズムに基づく早期診断・治療法の開発・確立を目指す。
研究方法
1)ALアミロイドーシス:1.過剰線溶関連分子の診断指標としての有用性検証。2.幹細胞移植やMD化学療法の効果検証。
2)AAアミロイドーシス:IL-6受容体抗体トシリズマブの効果検証。
3)家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP):1.非集積地高齢発症患者に関する解析。2. LC-MS/ MSの診断的有用性の検証。
4)老人性全身性アミロイドーシス(SSA):1.各種整形外科領域患者における野生型TTRアミロイドーシスの頻度調査。2.臨床像、病理組織像の詳細な検討。
5)透析アミロイドーシス:1.診断指標の探索。2.アミロイド促進因子、アミロイド共存蛋白質の解析。
6)脳アミロイドーシス:1.Aβオリゴマー形成に対する様々な物質の効果に関する検討。2.脳特異的コラーゲン分子CLACやスタチンのAβアミロイドの凝集・蓄積に果たす役割の検証。3.家族性アルツハイマー病におけるAβ43の病態への関与についての検討。4.Aβ-(1-34)のアルツハイマー病(AD)の病態に対する意義やAβオリゴマー蓄積によるタウオパチーと神経毒性の誘発機序解明。
7)動物のアミロイドーシス:霊長類、大型ネコ科動物の検討。
8)アミロイドイメージングの開発: [11C]BF227の診断的有用性の検証。
結果と考察
1)ALアミロイドーシス:過剰線溶関連分子の診断的有用性、併用高用量化学療法の効果を確認した。
2)AAアミロイドーシス:世界初の全国多施設臨床試験により、トシリズマブの有用性を確認した。
3)FAP:非集積地高齢発症患者の臨床的特徴を明らかにし、LC-MS/MS 法の診断的有用性を証明した。
4)SSA:高齢、男性手根管症候群患者のフォローが本症の早期診断の鍵となることを確認した。
5)透析アミロイドーシス:PICの診断的有用性、血中C末端 unfolded β2-microglobulin(92-99β2m)が発症に及ぼす影響を確認した。
6)脳アミロイドーシス:Aβ凝集に対するビタミンAやCLAC蛋白質、スタチン、気液界面の影響を、ADの発症、進行に脳脊髄液中のAβ-(1-34)量が関与することを確認した。
7)動物のアミロイドーシス:大型ネコ科動物の69%で脳にAβ沈着を認めた。
8)アミロイドイメージングの開発:[11C]BF227が各種アミロイドーシスの診断に有用であることを確認した。
結論
本年度の研究が今後各種アミロイドーシスの早期診断および治療法の開発・確立に与える影響は極めて大きいと考えられる。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128168Z