間脳下垂体機能障害に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128164A
報告書区分
総括
研究課題名
間脳下垂体機能障害に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-008
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
大磯 ユタカ(名古屋大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 須田 俊宏(弘前大学大学院医学研究科)
  • 森 昌朋(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 寺本 明(日本医科大学大学院医学研究科)
  • 肥塚 直美(東京女子医科大学医学部)
  • 石川 三衛(自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科)
  • 横谷 進(国立成育医療研究センター内科系専門診療部)
  • 峯岸 敬(群馬大学大学院医学系研究科)
  • 島津 章(京都医療センター臨床研究センター)
  • 柳瀬 敏彦(福岡大学医学部)
  • 沖 隆(浜松医科大学医学部)
  • 有田 和徳(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科)
  • 岩崎 泰正(高知大学教育研究部)
  • 高野 幸路(東京大学大学院医学系研究科)
  • 竹腰 進(東海大学医学部)
  • 清水 力(北海道大学病院検査・輸血部)
  • 巽 圭太(大阪大学大学院医学系研究科)
  • 菅原 明(東北大学大学院医学系研究科)
  • 有馬 寛(名古屋大学医学部附属病院)
  • 高橋 裕(神戸大学大学院医学研究科)
  • 横山 徹爾(国立保健医療科学院人材育成部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
51,538,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本班は11病態の下垂体疾患を対象とするが、下垂体に存在する8種類のホルモンが各々緊密な相互関係を持ち疾患の病態形成に影響を与える。この背景の中で下垂体疾患の病態解析、新規病態探索、発症予防、増悪抑止、治療薬開発を目的に研究を進めた。
研究方法
重点研究:リンパ球性下垂体炎の適正診断を実現する感度・特異性に優れた診断法を開発するため自己抗原の検索と診断マーカーの探索、機能性下垂体腺腫の腫瘍発生と腫瘍増殖機構の検討を進めた。
個別研究:成人GH分泌不全症におけるNAFLD発症機序、小胞体ストレスがAVP遺伝子発現に与える影響、ドパミン作動薬抵抗性を示すPRL産生腫瘍の病態解析、本班独自のデータベースで追跡中の下垂体疾患375例の長期予後解析等の研究を遂行し、下垂体疾患の病態・発症機構解明、新規診断法・治療法の開発に向け集学的アプローチを進めた(字数制限により一部の研究のみを記載)。
結果と考察
重点研究:リンパ球性漏斗下垂体後葉炎で発現する自己抗体(抗76kD抗体)を同定し、その診断精度は特異度90%と高く実用性が証明され臨床診断用キットを開発中。クッシング病の新規薬物療法開発では新規ソマトスタチン受容体作動物質SOM230がPOMC mRNA発現とACTH分泌を抑制することを確認。GH産生下垂体腺腫増殖関連遺伝子分析のためgsp変異とGNAS近傍のエピゲノム解析を行い詳細を明らかとした。
個別研究:成人GH分泌不全症は肥満と独立してNAFLDが合併し、GH補充療法が必要である。また小胞体ストレスによるAVP遺伝子のpoly-A短縮がmRNAの安定性・翻訳効率低下により小胞体負荷を軽減させる新規小胞体ストレス応答機構の発見。ドパミン作動薬抵抗性機序はD2R自身からPRL遺伝子転写調節など様々なステップの障害があり今後より有効な薬開発が期待できる。長期予後分析では「健康上の理由で日常生活に影響」と「主観的健康観」の改善が示され今後治療法別解析を行いADLの改善との関係が明らかとする。
結論
以上の研究を通し間脳下垂体疾患の病態をより深く理解し、新規診断法・治療法などの開発が進み、その成果を班独自のホームページなどで公表し閉ざされた研究とすることなく社会への還元を積極的に実践した。

公開日・更新日

公開日
2013-03-12
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128164Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
67,000,000円
(2)補助金確定額
67,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 44,324,213円
人件費・謝金 1,237,640円
旅費 1,399,130円
その他 4,577,017円
間接経費 15,462,000円
合計 67,000,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2015-06-10
更新日
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