特発性造血障害に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128157A
報告書区分
総括
研究課題名
特発性造血障害に関する調査研究
課題番号
H23-難治・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
黒川 峰夫(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 小澤 敬也(自治医科大学 医学部附属病院)
  • 金倉  譲(大阪大学 大学院医学系研究科)
  • 直江 知樹(名古屋大学 大学院医学系研究科)
  • 中尾 眞二(金沢大学 医薬保健研究域医学系)
  • 澤田 賢一(秋田大学 医学部)
  • 赤司 浩一(九州大学 大学院医学研究)
  • 宮崎 泰司(長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
  • 高折 晃史(京都大学 大学院医学研究科)
  • 岡本 真一郎(慶應義塾大学 医学部)
  • 中畑 龍俊(京都大学 iPS細胞研究所)
  • 太田 晶子(埼玉医科大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究班では再生不良性貧血(再不貧)、溶血性貧血、骨髄異形成症候群: MDS(不応性貧血)、骨髄線維症の4疾患を対象としている。本研究班では今までの調査研究を発展させつつ、先進性や国際化の視点をとりいれて本領域の疫学・病因・病態・診断・治療・予後などを包摂した研究を推進することを目的としている。
研究方法
わが国を代表する専門医の力を結集し、疫学の専門家、全国の診療施設や関係学会の参加の下に、小児・成人にわたり本疾患群の全容解明を目指して基礎・臨床双方からのアプローチと大規模な研究推進を行った。
結果と考察
再生不良性貧血の領域では、疾患に関与する自己抗原を同定するため、免疫機序の関与が濃厚な肝炎後再生不良性貧血(HAA)症例を解析した。ABO不適合同種造血幹細胞移植後の赤芽球癆の調査研究を行った。再生不良性貧血の臨床調査個人票を解析し、受給者の実態について明らかにした。
溶血性貧血の領域では、発作性夜間血色素尿症(PNH)に関して、国際PNH専門家会議に参加した。日本PNH研究会と連携し、診断検査の一元化、患者登録体制の確立を進めた。新規補体阻害剤の妊娠管理、適正投与間隔の検討、本邦不応例の解析を行った。PNHクローン拡大機序に関する研究を継続した。
骨髄異形成症候群の領域では、前方視的症例登録・セントラルレビュー・追跡調査を進めた。新たな予後予測スコアリング作成の国際プロジェクトに参加した。DNA脱メチル化剤治療を施行されたMDS患者の末梢血遊離DNAのメチレーションの変化の意義を検討した。低リスクMDSに対するDNA脱メチル化剤の評価を行う臨床研究のプロトコールを作成した。モデルマウスの解析によって鉄過剰症が骨髄微小環境へ影響することを見いだした。
骨髄線維症の領域では、前方視的患者登録を継続した。予後予測として、ダイナミックモデルの検討を行った。
造血幹細胞の領域では、合併症による予後スコアの本邦の患者における評価を行った。
小児科の領域では先天性造血障害を持つ患者から疾患特異的なiPS細胞の樹立を開始した。難治造血不全疾患の中央診断をすすめた。
結論
本研究班が担当する各分野において、着実な成果を上げることが出来た。これらの成果を実際の臨床に応用するべく、来年度以降の研究を継続する。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128157Z