毛細血管拡張性小脳失調症の実態調査、早期診断法確立と、病態評価に関する研究

文献情報

文献番号
201128088A
報告書区分
総括
研究課題名
毛細血管拡張性小脳失調症の実態調査、早期診断法確立と、病態評価に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-128
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
水谷 修紀(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 高木 正稔(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 熊田 聡子(東京都立神経病院 神経小児科)
  • 林 雅晴(財団法人東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野)
  • 金子 英雄(長良医療センター 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
毛細血管拡張性小脳失調症(Ataxia telangiectasia:以下AT)の医療の質の改善を目的として、その病態の基礎的な解析を行い、臨床的には患者のケアを行っていくうえで有用な指針の作成を行い、また治療法開発を目的として臨床試験を行う。
研究方法
基礎研究として、免疫不全症と発がんのかかわりにおいて分子細胞生物学的な解析を行う。またiPS細胞から神経細胞分化を試み、その解析を通し運動失調症の病態の理解を計る。診断のための検査法の開発を行う。海外との共同作業から治療経験に富む医師らと意見交換し診療指針を作成する。運動失調改善を目的とした臨床試験を行う。
結果と考察
①毛細血管拡張性小脳失調症(AT)の診断方法の確立を行った。②免疫不全症発症の原因がT細胞分化において、DN期およびDP期のT細胞受容体再構成異常にあることを明らかにし、DN期およびに染色体転座が起こることを明らかにした。AT由来iPS細胞を作製した。③診療ネットワークの構築を行い、ATに関する情報を集約したホームページによる情報提供を行った④ATの神経症状に対するステロイド少量療法の長期的効果を検討する臨床研究を行った。
結論
基礎的な側面からいくつかのATの病態を明らかにし、AT診療を行っていくうえで重要な指針を作成できた。また症状改善を目的とした臨床試験により、治療法開発への展望が開けた。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

文献情報

文献番号
201128088B
報告書区分
総合
研究課題名
毛細血管拡張性小脳失調症の実態調査、早期診断法確立と、病態評価に関する研究
課題番号
H22-難治・一般-128
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
水谷 修紀(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 森尾 友宏(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 高木 正稔(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
  • 熊田 聡子(東京都立神経病院 神経小児科)
  • 林 雅晴(財団法人東京都医学総合研究所 脳発達・神経再生研究分野)
  • 金子 英雄(長良医療センター 臨床研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
毛細血管拡張性小脳失調症(Ataxia telangiectasia:以下AT)の医療の質の改善を目的として、その病態の基礎的な解析を行い、臨床的には患者のケアを行っていくうえで有用な指針の作成を行い、また治療法開発を目的として臨床試験を行う。
研究方法
基礎研究として、免疫不全症と発がんのかかわりにおいて分子細胞生物学的な解析を行う。またiPS細胞から神経細胞分化を試み、その解析を通し運動失調症の病態の理解を計る。診断のための検査法の開発を行う。海外との共同作業から治療経験に富む医師らと意見交換し診療指針を作成する。運動失調改善を目的とした臨床試験を行う。
結果と考察
①毛細血管拡張性小脳失調症(AT)のウェスタンブロット、HRM法、RFLP法、MLPA法による診断方法の確立を行った。②免疫不全症発症の原因がT細胞分化において、DN期およびDP期のT細胞受容体再構成異常にあることを明らかにし、DN期およびに染色体転座が起こることを明らかにした。AT由来iPS細胞を作製した。またこのiPS細胞から神経幹細胞への分化に成功した。③病理学的な検討からTH染色性低下があり、A-T患者にみられる不随意運動も大脳基底核の機能異常と関連している可能性が示唆された。④診療ネットワークの構築を行い、ATに関する情報を集約したホームページによる情報提供を行った⑤ATの神経症状の評価方法を確立し、運動失調に対するステロイド少量療法の長期的効果を検討する臨床研究を行った。また確立した神経評価スケール、SARAを用いて評価した。
結論
基礎的な側面から免疫不全症発症要因、運動失調発症要因に関していくつかのATの病態を解明し、またiPS細胞から神経細胞を誘導し、再生医療を目指した基盤を構築した。また臨床面からはAT診療を行っていくうえで重要な指針を作成できた。また運動失調改善を目的とした臨床試験により、治療法開発への展望が開けた。

公開日・更新日

公開日
2013-03-28
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201128088C

成果

専門的・学術的観点からの成果
①毛細血管拡張性小脳失調症(AT)の診断方法の確立を行った。これにより未診診断例の診断高率の上昇が得られる。②免疫不全症発症と発がんの関連について明らかにした。この基礎的成果を基盤として、ATに見られる免疫不全症の根本的な治療法と発がん予防につながる方法の開発につながることが予想される。③iPS細胞を作製した。このiPS細胞から神経幹細胞への分化に成功した。再生医療による治療法開発に大きく前進した。
臨床的観点からの成果
①診療ネットワークの構築を行い、ATに関する情報を集約したホームページによる情報提供を行った。これにより、どの医療機関に受診してもある程度行ってした医療水準の治療、ケアが受けられるようになると考える。②ATの神経症状の評価方法を確立し、運動失調に対するステロイド少量療法の長期的効果を検討する臨床研究を行った。また確立した神経評価スケール、SARAを用いて評価した。これにより運動失調改善のための治療法開発に向け前進した。
ガイドライン等の開発
診断、治療、リハビリテーションを含めたケアに役立つ情報をATハンドブックとしてwebで公開、提供した。AT患者に発症した悪性腫瘍治療のガイドラインを作成した。
その他行政的観点からの成果
なし
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
49件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
24件
学会発表(国際学会等)
14件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件
・診療ガイドラインの制備 ・ATに発症した悪性腫瘍に対するガイドラインの制備

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Kaneko H, Fukao T, Kasahara K. et al.
Augmented cell death with Bloom syndrome helicase deficiency.
Mol Med Report. , 4 (4) , 607-609  (2011)

公開日・更新日

公開日
2014-05-22
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128088Z