文献情報
文献番号
201128082A
報告書区分
総括
研究課題名
コケイン症候群の病態解明および治療とケアの指針作成のための研究
課題番号
H22-難治・一般-121
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
久保田 雅也(国立成育医療研究センター 内科系専門診療部)
研究分担者(所属機関)
- 杉田克生(千葉大学教育学部養護教育学基礎医科学部門)
- 林 雅晴(東京都医学総合研究所 こどもの脳プロジェクト)
- 田沼直之(都立府中療育センター小児科)
- 熊田聡子(都立神経病院神経小児科)
- 森脇 真一(大阪医科大学感覚器機能形態医学講座皮膚科学)
- 中根裕信(鳥取大学医学部機能形態統御学講座ゲノム形態学分野)
- 立石 智(熊本大学 発生医学研究所 発生制御部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
コケイン症候群(Cockayne syndrome,CS)の報告はCockayneが1936年にDwarfism with retinal atrophy and deafnessとしてまとめたのが最初である。コケイン症候群(CS)の基礎的病態の解明、およびCSの診療実態と死亡原因の詳細な検討に基づくCSの治療とケアの指針作成を目的とする。
研究方法
(1) コケイン症候群(CS)でのDNA損傷に対する修復機構の解析、(2) CSの視床下部障害の臨床神経病理学的検討、(3) CSなどすべての遺伝性光線過敏症に対する分子遺伝学的解析、(4)CSモデル動物としてのXpg nullマウスの遺伝学的、病理学的解析、(5) CS患者由来の繊維芽細胞からヒトips細胞の樹立、光線過敏症の簡易な細胞診断方法の確立、細胞老化の誘導による細胞増殖の抑患者由来iPS細胞樹立、(6) CSの腎障害と酸化ストレス、睡眠障害と尿中メラトニン代謝解析),(7) ケア指針作成とホームページでの公開、新たに判明した二次調査からCS発生頻度の再解析、CSI型の死亡例の特質の抽出を行った。
結果と考察
CSの発生頻度は100万出生あたり2.76(2.19-3.11、95%信頼区間)となる。これは西欧と変わらず。CS1型が最も多く、2,3型が5%以下であった。腎障害が末期のQOLに多大な影響を与える。紫外線致死感受性を軽減化するannexin IIによる創薬、遺伝性光線過敏症に対する分子遺伝学的解析、CSモデル動物としてのXpg nullマウスの遺伝学的解析、CS患者由来の繊維芽細胞からヒトiPS細胞の樹立、光線過敏症の簡易な細胞診断方法の確立、視床下部障害の臨床神経病理学的検討、腎障害と酸化ストレスの解析、CS類似の経過を示す未知の変性疾患の検索、以上の成果およびCSのケア指針を作成し当班ホームページ上に載せた。CSの診療に関わる全ての医療者、患者家族にとって情報の共有化が可能になると思われる。
結論
CSは稀な疾患ではあるが発生頻度は西欧と変わらず、全身性の疾患ではあるが腎障害が長期フォローのポイントである、基礎的解析から根本的治療はいまだ遠いが本態に徐々にではあるが近づきつつある。
以上の成果およびCSのケア指針を作成し当班ホームページ上に載せた。CSの診療に関わる全ての医療者、患者家族にとって情報の共有化が可能になると思われる。
以上の成果およびCSのケア指針を作成し当班ホームページ上に載せた。CSの診療に関わる全ての医療者、患者家族にとって情報の共有化が可能になると思われる。
公開日・更新日
公開日
2015-06-09
更新日
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