文献情報
文献番号
201128065A
報告書区分
総括
研究課題名
先天性ケトン体代謝異常症(HMG-CoA合成酵素欠損症、HMG-CoA リアーゼ欠損症、β-ケトチオラーゼ欠損症、SCOT欠損症)の発症形態と患者数の把握、診断治療指針に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-難治・一般-104
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
深尾 敏幸(岐阜大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 山口 清次(島根大学 医学部)
- 重松 陽介(福井大学 医学部)
- 高柳 正樹(千葉県こども病院)
- 新宅 治夫(大阪市立大学 大学院医学研究科)
- 堀川 玲子(国立成育医療研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
小児期にはケトーシスによく遭遇する.一方重篤なケトアシドーシスの中には死亡したり,後遺症を残すような先天性ケトン体代謝異常症が含まれている. 本研究班の本年度の目的は、ケトン体利用障害のβ-ケトチオラーゼ欠損症、SCOT欠損症に加えて、ケトン体産生障害のHMG-CoA合成酵素(HMGS)欠損症とHMG-CoAリアーゼ(HMGL)欠損症の発症形態の把握、患者数の把握、診断治療に関する研究を行い、これら疾患の早期発見、早期治療、QOLの向上をめざし、4疾患に対する診断治療指針を作成、広く周知することである。
研究方法
今回この5年間(平成19年度から23年度)において岐阜大学にケトン体代謝に関する症例の相談件数、活性測定した症例数、遺伝子解析を行った症例数などについて集計した。HMGS欠損症とHMGL欠損症の遺伝子検査実施体制の確立、β-ケトチオラーゼ欠損症、SCOT欠損症については酵素診断,遺伝子変異の同定を引き続き行った。そのほかin vitro probe assay法による安定同位体ラベルを使用したケトン体代謝異常診断の基礎的検討を行った。
結果と考察
過去5年間のケトン体代謝異常症に関する相談、活性測定、遺伝子解析に関する検討では、平成19?20年度が6-7件であったのに対し、研究班を組織した平成21年度は14件と倍増し、さらにこの2年間は24-27件と急増しており、研究班での啓蒙活動、診断指針等の配布などの効果があったと考えられる。疑い症例でHMGSの遺伝子解析を行ったが、変異をもつものは同定出来なかった。HMGL欠損症と考えられた2例においては遺伝子変異を同定している。そのほかSCOT欠損症の長期経過に関する研究、重篤なケトアシドーシス症例に対するグルコースインスリン療法、HMG-CoAリーゼ欠損症の化学診断、タンデムマス・有機酸診断、診断指針作成、症例スクリーニング、HMGL欠損症の症例検討、酵素診断および遺伝子診断のセンター的機能の充実を行い、先天性ケトン体代謝異常症4疾患の診断治療指針を作成した。昨年度に作成した先天性ケトン体代謝異常症のホームページについて、さらに充実するとともに、本年度は英語版を作成して公表した。
結論
2年目の調査研究活動を行い、十分な臨床における貢献、学術的な研究が行えた。本研究班の経費で スイスジュネーブでのSSIEMにおいて本研究班の研究成果を発表した。
公開日・更新日
公開日
2013-03-12
更新日
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