文献情報
文献番号
201128059A
報告書区分
総括
研究課題名
性分化疾患における診断法の確立と治療指針の作成
課題番号
H22-難治・一般-098
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
緒方 勤(浜松医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 大山建司(山梨大学大学院医学工学総合研究部)
- 堀川玲子(国立成育医療研究センター)
- 島田憲次(大阪府立母子保健総合医療センター)
- 有阪治(獨協医科大学)
- 野々村克也(北海道大学大学院医学研究科)
- 深見真紀(国立成育医療研究センター)
- 長谷川行洋(東京都立小児総合医療センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、性分化疾患における診断法の確立と治療指針の作成である。これにより、本疾患における医療の均てん化に貢献する。
研究方法
下記の項目について検討した。
結果と考察
多数の性分化疾患患者における遺伝子解析により、臨床的アンドロゲン受容体異常症における遺伝的異質性、5α還元酵素欠損症患者の社会的性の決定における遺伝子診断の有用性、純粋型XY性線異形成における新規発症機序、POR異常症におけるプロモーター欠失を含む発症機序と重症度決定因子、アロマターゼ過剰症における疾患成立機序が同定され、さらに、原因不明の性分化疾患を対象とする次世代シークエンサー解析や高密度CGHアレイプローブ解析方法がデザインされた。(2) 尿道下裂患者の臨床的評価により、精巣機能や内分泌的長期予後データが得られた。(3) 性自認に関する小児期実態調査を行い、46,XX 21水酸化酵素欠損症において「高度に重症の男性化(Prader分類で5度)を示す患者では男性を選択することが望ましい場合がある」という考えを支持するデータが得られた。(4) 集学的医療体制の構築や相談医師の選定を行った。(5) 小児期対応の手引きを作成した。(6) これらの成果を学会雑誌に掲載し、また、日本小児内分泌学会や本研究班のホームページから発信した。
多数の性分化疾患患者における遺伝子解析は、性分化疾患における診断法の確立に大きく貢献すると考えられる。尿道下裂患者の臨床的評価は、性分化疾患における長期予後の解明に極めて有用と考えられる。性自認に関する小児期実態調査と性指向成人患者アンケート調査における46,XX 21水酸化酵素欠損症のデータは、現在本疾患患者を社会的女性として養育すべきというコンセンサスにたいして警鐘を鳴らすものである。集学的医療体制の構築は、適切な社会的性の決定を要する新生児救急疾患としての性分化疾患患者の管理・治療において目指すべき方向を示すと共に、医療の均てん化に貢献する試みである。小児期対応の手引きの作成は、われわれがすでに公表した「性分化疾患初期対応の手引き」と「集学的管理体制指針」と共に、性分化疾患管理・治療の原点を構成するものと期待される。
多数の性分化疾患患者における遺伝子解析は、性分化疾患における診断法の確立に大きく貢献すると考えられる。尿道下裂患者の臨床的評価は、性分化疾患における長期予後の解明に極めて有用と考えられる。性自認に関する小児期実態調査と性指向成人患者アンケート調査における46,XX 21水酸化酵素欠損症のデータは、現在本疾患患者を社会的女性として養育すべきというコンセンサスにたいして警鐘を鳴らすものである。集学的医療体制の構築は、適切な社会的性の決定を要する新生児救急疾患としての性分化疾患患者の管理・治療において目指すべき方向を示すと共に、医療の均てん化に貢献する試みである。小児期対応の手引きの作成は、われわれがすでに公表した「性分化疾患初期対応の手引き」と「集学的管理体制指針」と共に、性分化疾患管理・治療の原点を構成するものと期待される。
結論
上記の成果は、本邦における性分化疾患の性分化疾患における診断法の確立と治療指針の作成に大きく貢献するものである。
公開日・更新日
公開日
2013-03-27
更新日
-