文献情報
文献番号
201128035A
報告書区分
総括
研究課題名
後天性血友病XIII(13)の実態調査、発症機序の解明と治療方法の開発
課題番号
H22-難治・一般-074
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
一瀬 白帝(山形大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 惣宇利 正善(山形大学 医学部)
- 山本 正雅(奥羽大学 薬学部)
- 坂田 洋一(自治医科大学 分子病態治療研究センター)
- 矢冨 裕(東京大学 医学部)
- 丸山 征郎(鹿児島大学 医学部)
- 小林 隆夫(浜松医療センター)
- 村田 幸平(市立吹田市民病院)
- 家子 正裕(北海道医療大学 歯学部)
- 川杉 和夫(帝京大学 医学部)
- 前田 美穂(日本医科大学)
- 花房 規男(東京大学 医学部)
- 石田 文宏(信州大学 医学部)
- 和田 英夫(三重大学大学院 医学系研究科)
- 嶋 緑倫(奈良県立医科大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
研究の目的は、原因不明の出血性後天性凝固第XIII(13)因子(FXIII/13)欠損症と抗FXIII/13抗体による自己免疫性の後天性血友病様疾患(後天性血友病13と命名)の実態を明らかにし、検査、診断と治療の方法を確立することである。
研究方法
研究代表者1名、研究分担者14名、研究協力者24名から成る。本年度は、組織強化のため分子病態、外科・救急、内科・小児科の各サブグループを一部改編して、各々の課題に取り組んだ。
調査広報活動:年間症例数の目標を100名として、山形大学が主管して実施した。
止血血栓学的臨床研究:主に全国の研究分担者と研究協力者(計38名)が行った。
病態と分子機序の解析に関する実験研究:主に分子病態サブグループの研究分担者が実施した。
インヒビターの精密検査と診断:分子病態サブグループの研究分担者が実施した。
調査広報活動:年間症例数の目標を100名として、山形大学が主管して実施した。
止血血栓学的臨床研究:主に全国の研究分担者と研究協力者(計38名)が行った。
病態と分子機序の解析に関する実験研究:主に分子病態サブグループの研究分担者が実施した。
インヒビターの精密検査と診断:分子病態サブグループの研究分担者が実施した。
結果と考察
広報調査活動は予定した事項を全て達成し、臨床研究でも約2年で52症例と少数ではあるが良好な止血管理を実現している。また、計412例の各種疾患の症例が個別の研究分担者によって登録され、FXIII/13の解析がなされた。本疾患は一般臨床医に余り知られていないので、まだまだ見逃されている症例が多いと思われる。
病態の解析と診断に関する実験研究では、詳細な生化学的実験の結果、精査した52症例中8例がインヒビターによる後天性血友病13であり、これらの内6例はFXIII/13のAサブユニットに対する抗体、2例はBサブユニットに対する抗体が原因であることが判明した。
これまで世界中で約30例足らずしか報告されていなかったインヒビター症例が我が国一国のみで少なくとも28例も存在することを明らかにした。今後の調査により更に増加することが予想される。
検査では、ユビキタスで迅速な抗FXIII(13)抗体の検出法の開発に成功し、診断・治療のアルゴリズム案を作成したので、臨床応用が進むと期待される。本疾患へのFXIII(13)濃縮製剤の適応外薬申請に対して厚生労働省から開発依頼が出されており、本疾患の治療は更に改善される見通しであるので、得られた成果を世界に向けて情報発信したい。
病態の解析と診断に関する実験研究では、詳細な生化学的実験の結果、精査した52症例中8例がインヒビターによる後天性血友病13であり、これらの内6例はFXIII/13のAサブユニットに対する抗体、2例はBサブユニットに対する抗体が原因であることが判明した。
これまで世界中で約30例足らずしか報告されていなかったインヒビター症例が我が国一国のみで少なくとも28例も存在することを明らかにした。今後の調査により更に増加することが予想される。
検査では、ユビキタスで迅速な抗FXIII(13)抗体の検出法の開発に成功し、診断・治療のアルゴリズム案を作成したので、臨床応用が進むと期待される。本疾患へのFXIII(13)濃縮製剤の適応外薬申請に対して厚生労働省から開発依頼が出されており、本疾患の治療は更に改善される見通しであるので、得られた成果を世界に向けて情報発信したい。
結論
本研究は、本疾患の啓発、周知と医療レベルの向上、症例の救命に繋がっており、迅速な診断と適確な治療により、医療経済の健全化にも僅かではあるが貢献していると言える。
公開日・更新日
公開日
2013-03-04
更新日
-