ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究

文献情報

文献番号
201128011A
報告書区分
総括
研究課題名
ライソゾーム病(ファブリ病含む)に関する調査研究
課題番号
H22-難治・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
衛藤 義勝(東京慈恵会医科大学 遺伝病(ライソゾーム病)研究講座)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 義之(国際医療福祉大学大学院)
  • 芳野 信(久留米大学医学部)
  • 田中 あけみ(大阪市立大学医学研究科)
  • 島田 隆(日本医科大学医学部)
  • 酒井 規夫(大阪大学医学部)
  • 高橋 勉(秋田大学医学部)
  • 高柳 正樹(千葉県こども病院代謝科)
  • 大野 耕策(鳥取大学医学部)
  • 辻 省次(東京大学医学部)
  • 難波 栄二(鳥取大学生命機能研究センター)
  • 鈴木 康之(岐阜大学医学部)
  • 桜庭 均(明治薬科大学薬学部)
  • 北川 照男(日本大学医学部)
  • 奥山 虎之(独立行政法人国立成育医療研究センターライソゾーム病センター)
  • 坪井 一哉(名古屋セントラル病院血液内科)
  • 松田 純子(東海大学糖鎖科学研究所)
  • 加藤 俊一(東海大学医学部)
  • 遠藤 文夫(熊本大学生命科学研究部)
  • 下澤 伸行(岐阜大学生命科学)
  • 今中 常雄(富山大学分子生物学)
  • 小林 博司(東京慈恵会医科大学医学部)
  • 矢部 普正(東海大学医学部)
  • 加藤 剛二(名古屋第一赤十字病院小児科)
  • 加我 牧子(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
  • 横山 和明(帝京大学薬学部)
  • 大澤 真木子(東京女子医科大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
67,075,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、ライソゾーム病患者の予後、ALD(Activity of daily life)、QOL(Quality of Life)の改善にあり、この目的のため(1) 病態把握のための実態調査(2)病態解析(3)早期診断法や新規治療法の開発を柱として研究を推進し、更に4本目の柱として(4)遺伝病の臨床遺伝子治療体制の整備を進める。
研究方法
(1)病像把握のための実態調査では、血液ろ紙を用いたマススクリーニング、ポンペ病ALD調査が行われた。(2)病態解析では、Gal-C, Sap-CダブルKOマウス作成、ペルオキシゾーム膜に局在するPex3pと分子シャペロンpex19pの解析、ファブリ病バイオマーカーなどが検討された。(3)早期診断法・新規治療法の開発では、遺伝子治療、イソフラボン服用効果、シャペロン療法骨髄移植成績の解析、iPSモデル細胞の作成が行われた。(4) 臨床遺伝子治療体制の整備を進めるため、研究会を開催。
結果と考察
(1)病態把握のため実態調査:ポンペ病、ムコ多糖症I、II型のスクリーニングでいずれも正常、患者群の鑑別が容易であった。ポンペ病ADL調査では臨床的特徴として呼吸不全、筋力低下がADL低下の原因と考えられた。(2)病態解析:Gal-C, Sap-CダブルKOマウスではGal-C単独欠損マウスよりも早期に死亡し脳に領域特異的な神経細胞死などが明らかになった。Pex3pとpex19pとの相互作用などが明らかにされ、ペルオキシゾーム病の正確な確定診断法が開発された。ファブリ病のバイオマーカーとしての診断価値を明らかにした。また、日本人ムコリピドーシスの分子病態、ニーマンピック病C型の細胞内病態が研究された。(3) 新規治療開発:遺伝子治療では、AAV-9 Lentivirus vector により可能性を検討した。イソフラボン服用効果を臨床的に検討し、シャペロン療法でも臨床応用に向けて研究を進めている。ライソゾーム病での骨髄移植の効果を纏めた。ライソゾーム病モデルマウスからiPS細胞を作成し、治療研究に向けて研究を進めた。(4) 政府・企業関係者、研究者を交えた総合的な研究会として第2回国際協力遺伝病遺伝子治療フォーラムが開催された。
結論
ライソゾーム病の予後、QOLの改善を目指して様々な研究が行われ、それぞれ成果を上げているが、今後もより効果的な診断・治療法、予後改善対策などの成果に向けて精力的な調査研究が必要である。

公開日・更新日

公開日
2013-03-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
201128011Z