生体試料等の効率的提供の方法に関する研究

文献情報

文献番号
201128004A
報告書区分
総括
研究課題名
生体試料等の効率的提供の方法に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-170
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中村 幸夫(独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター 細胞材料開発室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
50,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、難治性疾患の克服を目指す研究者が、対象となる研究材料を迅速に入手できるためのインフラストラクチャーとしての「細胞バンク事業」を整備することを目的とする。こうした研究材料を体系的かつ網羅的に整備することは未だに実施されておらず、本課題実施後に難治性疾患の多くをカバーできるような細胞材料が整備できれば、世界に類を見ない貴重な「研究資源コレクション」となることが確実である。
研究方法
厚生労働科学研究費補助金「難治性疾患克服研究事業」の中の「生体試料等の収集に関する研究」等で収集された生体試料を受け入れ、効率的な提供を実施するための、倫理的課題や技術的課題等に関して研究する。収集した組織又は細胞をそのまま提供(使用)したのでは「使い切り試料」であり、使用者数が限定されるため、細胞の短期培養又は長期培養(不死化)を実施し、広く多くの研究者が使用できるようにする。
結果と考察
平成23年度は、以下の疾患特異的iPS細胞株の収集を行い(寄託を受け)、提供準備を行った。Allan-Herndon 症候群、ATR-X症候群、Bardet-Biedl 症候群、Charcot-Marie-Tooth病(Variant型)、ポンペ病、モヤモヤ病、家族性ALS、孤発性ALS (classical, with UMN)、孤発性ALS (bulbar, with UMN)、孤発性ALS (pseudo-polyneuritic, w/o UMN)、筋ジストロフィー・デュシェンヌ型:3患者、筋ジストロフィー・三好型、筋ジストロフィー・肢体型、皮膚筋炎:2患者、封入体筋炎、先天性筋線維タイプ不均衡症、全身性強皮症:2患者、肺高血圧症(以上、熊本大学が独自に入手した細胞由来)。プラダー・ウィリー症候群、コケイン症候群、オルニチン・トランスカルバミナーゼ欠損症、テイ・サックス病、先天性高乳酸血症、ピルビン酸脱水素酵素欠損症、エーラーダンロス症候群(以上、理研BRCが保有していた細胞に由来)。前年度までの準備により、多数の細胞を収集・整備することができた。
結論
平成23年度は、疾患特異的iPS細胞の収集(寄託)が増え、難治性疾患研究用の資源の充実化が進んだ。平成23年度末時点で整備できた細胞は以下のとおりである。線維芽細胞:16疾患、29患者由来。EBV-B細胞:3疾患、27患者由来。疾患特異的iPS細胞:28疾患、32患者由来。

公開日・更新日

公開日
2012-05-25
更新日
-

文献情報

文献番号
201128004B
報告書区分
総合
研究課題名
生体試料等の効率的提供の方法に関する研究
課題番号
H21-難治・一般-170
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
中村 幸夫(独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター 細胞材料開発室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、難治性疾患の克服を目指す研究者が、対象となる研究材料を迅速に入手できるためのインフラストラクチャーとしての「細胞バンク事業」を整備することを目的とする。こうした研究材料を体系的かつ網羅的に整備することは未だに実施されておらず、本課題実施後に難治性疾患の多くをカバーできるような細胞材料が整備できれば、世界に類を見ない貴重な「研究資源コレクション」となることが確実である。
研究方法
厚生労働科学研究費補助金「難治性疾患克服研究事業」の中の「生体試料等の収集に関する研究」等で収集された生体試料を受け入れ、効率的な提供を実施するための、倫理的課題や技術的課題等に関して研究する。収集した組織又は細胞をそのまま提供(使用)したのでは「使い切り試料」であり、使用者数が限定されるため、細胞の短期培養又は長期培養(不死化)を実施し、広く多くの研究者が使用できるようにする。
結果と考察
平成23年度末時点で整備できた細胞は以下のとおりである。線維芽細胞:16疾患、29患者由来の細胞株。EBV-B細胞:3疾患、27患者由来の細胞株。疾患特異的iPS細胞:28疾患、32患者由来の細胞株。理研細胞バンク事業の歴史は30年近くになるが、癌細胞株以外の疾患者由来細胞は20種類程度しかなく、3年間で上記の細胞を整備できた成果は大きい。厚労省科研費による本課題の継続がないことが決定したが、難治性疾患に係る細胞バンク事業が今後も発展するために、今後も引き続き、可能な範囲内で細胞の寄託を受け入れ、広く多くの研究者が難治性疾患克服のための研究に必要となる細胞材料を細胞バンク機関から入手できる体制の整備に努めていきたい。
結論
交付申請時の目標は、平成23年度末までの3年間で、疾患毎に数人分(各疾患の罹患者数に依存)で、合計約300人由来(60~130疾患をカバーできると想定)の細胞の整備を目指すことであった。結果としては、47疾患、88人由来の細胞を収集することができた。疾患数に関しては目標の下限にほぼ近い疾患数をカバーする事ができた。各難病研究班からの試料収集が軌道に乗ればもっと多数の収集が可能であったはずだが、倫理的手続き等に時間を要し、各難病研究班からの収集が滞った点が悔やまれる。今後の課題として残った点である。

公開日・更新日

公開日
2012-05-25
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201128004C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、難治性疾患の克服を目指す研究者が、対象となる研究材料を迅速に入手できるためのインフラストラクチャーとしての「細胞バンク事業」を整備することを目的とした。こうした研究材料を体系的かつ網羅的に整備することは未だに実施されておらず、本研究の実施により難治性疾患の多くをカバーできるような細胞材料が整備できれば、世界に類を見ない貴重な「研究資源コレクション」となるものである。今回の研究において、その緒に着けたと言えるものであり、今後も何らかの方法により継続していくことが適切である。
臨床的観点からの成果
細胞バンク事業に限らず、リソース事業の存在意義は長期的なスパンで評価されるものである。難病に係るリソース事業はその緒に着いたばかりであり、リソース事業からの研究材料提供に基づいて臨床に直結するような研究成果が得られるのは、利用が増加した後に期待される。
ガイドライン等の開発
該当事項なし。
その他行政的観点からの成果
該当事項なし。
その他のインパクト
公開シンポジウムを2回主催した。第一回:平成22年8月23日、場所:文部科学省研究交流センター(つくば市)。第二回:平成23年7月10日、場所:東京国際フォーラム。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
18件
その他論文(和文)
18件
その他論文(英文等)
2件
学会発表(国内学会)
18件
学会発表(国際学会等)
11件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
2件
公開シンポジウムを2回主催した。

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-22
更新日
2016-06-13

収支報告書

文献番号
201128004Z