難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究

文献情報

文献番号
201128001A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究
課題番号
H21-難治・一般-166
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
亀岡 洋祐(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部難病資源研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療センター 生殖・細胞医療研究部)
  • 横出 正之(京都大学医学部附属病院 探索医療センター探索医療臨床部)
  • 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター)
  • 増井 徹(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
  • 野村 大成(独立行政法人医薬基盤研究所 疾患モデル動物研究プロジェクト)
  • 小原 有弘(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部培養資源研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
65,385,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患、希少疾患について、患者試料等の集中化が疾患克服研究推進に必須である。希少難治性疾患試料を蓄積集中保存管理し、研究者に提供し克服研究推進に貢献する。難治性疾患試料を集積する「難病研究資源バンク」の問題点を明し、難病研究資源バンクの具体的なシステムを構築し、実際の難病研究資源バンク活動により難治性疾患克服研究の推進に貢献することを目的とする。
研究方法
難治性疾患試料の収集拠点は当該疾患研究を継続してきた研究班の協力による試料収集ルート構築がキーとなる。当該研究班中心機関における医学研究倫理審査に合わせ倫理申請をサポートし、患者説明文書、同意書等標準フォーム整備、試料収集の支援体制を整えた。試料の基本操作方法確立、2次元バーコードチューブ使用により過誤回避システムを構築。パンフ配布、ブース出展、シンポジウム開催など普及啓発活動を行った。患者試料受入のため難病バンク専属倫理員会審査を受け、適正に対応した。最終年度は全国ネットの中心研究班との連携強化、試料分譲体制を構築した。
結果と考察
生体試料収集対応可能な28の研究班に関し交渉し、中心機関倫理審査委員会承認が得られた17件を難病バンク倫理審査を受け、13件が承認、条件付き承認を受けた。難病バンクに提供された症例数はHTLV-1関連疾患394件、多発性奇形症候群(2件、ケネディー症候群12件、褐色細胞腫関連64件等、計534件である。試料別内訳はDNA107件、血清64件、血漿256件、末梢血単核球49件である。また、共同事業(熊本大学)によりiPS細胞8クローン提供を受けた。平成23年11月に分譲可能資源を公開、試料分譲が可能となり、1件の分譲申請を進めた。全国ネットの診断センター機能を持つ研究班との連携が重要と思われ、多岐にわたる難治性疾患生体試料の集積を追求しなければならない。
結論
難病研究資源バンクのシステム構築がなされ、試料の収集分譲の実行体制を整えた。全国のセンターとなる機関との連携共同事業が強化されたことから、今後、加速度的に試料の集積が進むことが予想される。さらに多くの難治性疾患研究班と共同事業を進め、多岐にわたる難治性疾患を広く網羅する研究資源バンクを構築する必要がある。また研究資源は克服研究のためのものであり、試料の研究利用分譲をさらに進めることが、事業継続と疾患克服研究推進のために重要である。

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-

文献情報

文献番号
201128001B
報告書区分
総合
研究課題名
難治性疾患克服のための難病研究資源バンク開発研究
課題番号
H21-難治・一般-166
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
亀岡 洋祐(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部難病資源研究室)
研究分担者(所属機関)
  • 梅澤 明弘(独立行政法人国立成育医療研究センター 生殖・細胞医療研究部)
  • 横出 正之(京都大学医学部附属病院 探索医療センター探索医療臨床部)
  • 山野 嘉久(聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター)
  • 増井 徹(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部)
  • 野村 大成(独立行政法人医薬基盤研究所 疾患モデル動物研究プロジェクト)
  • 小原 有弘(独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾患資源研究部培養資源研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患克服研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
難治性疾患、希少疾患について、患者試料等の集中化が疾患克服研究推進に必須である。希少難治性疾患試料を蓄積集中保存管理し、研究者に提供することで疾患克服研究が可能となる。本研究の目的は難治性疾患試料の研究資源バンクである「難病研究資源バンク」設立の問題点を明らかにし、難病研究資源バンクの具体的なシステム構築を検討し、具体的な難病研究資源バンク活動により難治性疾患克服研究の推進に貢献することを目的とする。
研究方法
難治性疾患試料の収集拠点は当該疾患研究を継続的に進めてきた研究班の協力による試料収集ルート構築がキーとなる。当該研究班中心機関における医学研究倫理審査に合わせ倫理申請をサポートする。患者説明文書、同意書等の標準フォーム整備、試料収集の支援体制を整えた。血液試料の基本操作方法、分離試料の分注凍結保存を2次元バーコードチューブで電子制御により過誤を回避するシステムを構築。パンフ配布、ブース展示、シンポジウム開催など普及啓発活動を行った。患者試料受入れに関し難病バンク専属倫理員会審査を受け、適正に対応を進めた。
結果と考察
生体試料収集対応可能な28の研究班に関し交渉し、中心機関倫理審査委員会承認が得られた17件を難病バンク倫理審査を受け、13件が承認、条件付き承認を受けた。難病バンクに提供された症例数はHTLV-1関連疾患394件、多発性奇形症候群(2件、ケネディー症候群12件、褐色細胞腫関連64件等、計534件である。試料別内訳はDNA107件、血清64件、血漿256件、末梢血単核球49件である。また、共同事業(熊本大学)によりiPS細胞8クローン提供を受けた。平成23年11月に分譲可能資源を公開、分譲の受付けが可能となり、1件の分譲申請を進めている。収集の進んだ要因は全国ネット診断センター機能を持つ研究班との連携が重要と思われ、さらに広範な生体試料が集積されることが期待される。
結論
難病研究資源バンクのシステム構築がなされ、試料の収集分譲の実行体制を整えることができた。全国のセンターとなる機関との連携共同事業が進んでいることから、加速度的に試料の集積が進んでいくことが予想される。さらに多くの難治性疾患研究班と共同事業を進めることによって、難治性疾患を広く網羅する研究資源バンクを構築する必要がある。また研究資源は疾患克服研究のためのものであり、集積した試料の研究利用分譲を進めることが、事業継続と疾患克服研究推進のために重要であると考えられる。

公開日・更新日

公開日
2015-06-08
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201128001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究事業は本邦で初の難治性疾患患者の個人試料を収集し保存管理を行う難病研究資源バンクのシステム構築がなされ、試料の収集分譲の実行体制を整えることができた。難治性希少疾患の診断センター機関との連携共同事業が進み、加速度的に試料の集積が進んでいくことが期待される。さらに多くのセンター研究班と共同事業を進め、難治性疾患を広く網羅する研究資源バンクを構築する基礎が築かれた。
臨床的観点からの成果
本事業は個の難治性疾患に横断的研究事業であり直接的な臨床的観点の成果はないが、難治性疾患の本邦の診断センター機能を果たす研究班と連携が強化され、全国規模での臨床試料のバックアップとして機能する可能性も示された。また将来的にオーファンネットとの連携なども視野に難治性疾患患者試料収集における臨床現場との継続的な連携を進める基礎となった。
ガイドライン等の開発
医薬基盤研究所において難病研究資源バンクに関する規定、難病研究資源バンク研究倫理審査委員会設置運営細則、試料等利用細則、難病研究資源バンクにおける試料等安全管理措置、共同事業要領、試料等の取扱いに於ける安全管理要領、研究利用委員会設置運営要領、試料等分譲要領等を定め、適正に難病研究資源バンクを運営する基盤を整備した。
その他行政的観点からの成果
平成23年度には研究資源の分譲システムの構築を果たしたことにより、これまで個々の疾患研究班の内部に限定的であった患者試料の研究利用を、一般の研究者にインターネット上で公開し研究利用のための分譲ができる体制を整え、今後の疾患克服研究推進の基盤を整備した。
その他のインパクト
東京、大阪、筑波、熊本での複数回にわたり難治性疾患克服研究事業と難病研究資源バンク事業に関する公開シンポジウムを行っており、関連学会でのブース出展、全国の医療機関へのパンフレットの配布等、難病研究資源バンクの普及啓蒙活動を行った。難病バンク事業についてシンポジウム開催の機会などに新聞報道により事業が紹介された。

発表件数

原著論文(和文)
18件
原著論文(英文等)
7件
その他論文(和文)
7件
その他論文(英文等)
54件
学会発表(国内学会)
104件
学会発表(国際学会等)
36件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計5件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
5件
東京、大阪、熊本での公開シンポジウム

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2014-05-22
更新日
2016-07-19

収支報告書

文献番号
201128001Z