文献情報
文献番号
201127004A
報告書区分
総括
研究課題名
「痛み」に関する教育と情報提供システムの構築に関する研究
課題番号
H23-痛み・一般-004
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
柴田 政彦(大阪大学 大学院医学系研究科疼痛医学寄附講座)
研究分担者(所属機関)
- 井関 雅子(順天堂大学医学部麻酔科学ペインクリニック講座)
- 横山 正尚(高知大学医学部麻酔科学・集中治療医学講座)
- 山下 敏彦(札幌医科大学医学部整形外科学教室)
- 小山 なつ(滋賀医科大学医学部生理学講座)
- 池本 竜則(須崎くろしお病院整形外科)
- 中塚 映政(関西医療大学保健医療学部疼痛医学分野)
- 細井 昌子(九州大学病院心療内科)
- 宮岡 等(北里大学医学部精神科学)
- 亀田 秀人(慶應義塾大学医学部リウマチ内科)
- 今村 佳樹(日本大学歯学部口腔診断学)
- 大島 秀規(日本大学医学部機能形態学系生体構造医学)
- 平田 幸一(獨協医科大学医学部神経内科)
- 沖田 実(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科リハビリテーション科学)
- 住谷 昌彦(東京大学医学部付属病院麻酔科痛みセンター)
- 和佐 勝史(大阪大学医学科教育センター)
- 長櫓 巧(愛媛大学大学院医学系研究科生体機能管理学分野)
- 竹下 克志(東京大学大学院医学系研究科整形外科学)
- 中村 雅也(慶應義塾大学医学部整形外科学)
- 牛田 享宏(愛知医科大学医学部学際的痛みセンター)
- 井上 玄(千葉大学大学院医学系研究科整形外科学)
- 岩田 幸一(日本大学歯学部生理学教室)
- 矢谷 博文(大阪大学大学院歯学研究科統合機能口腔学)
- 和嶋 浩一(慶應義塾大学医学部歯科口腔外科学教室)
- 川真田 樹人(信州大学医学部麻酔科蘇生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 慢性の痛み対策研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
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研究報告書(概要版)
研究目的
痛みの医療の発展のためには、医療を提供する医療者、将来の医療者である医療系学生、医療消費者である一般市民に対して痛みに関する正しい知識の普及が前提となる。今回研究班では、今まで包括的にまとめられてこなかった「痛みの教育と普及」をとりあげ、痛み教育で使用できるパワーポイントスライドの作成とNPO法人痛み医学研究情報センターを通した情報普及システムの構築を目的とした。
研究方法
痛みに関連する基礎医学者、臨床専門家で研究分担者を組織し、将来の医療者に必須と思われる内容を講義用スライドにまとめる作業を行った。従来あまり取り上げられてこなかった、痛みと心理・精神的側面、痛みの疫学や医療経済、痛みとリハビリテーション、痛みと手術などの課題も重要だと考えられたので取り上げた。理解を容易にするためスライド内容だけで理解しにくい項目についてはノートを付け加えた。作成したスライドは、WEBから自由にダンロード可能とし、使用者情報を入手し今後の改訂やシステム変更のために活用できるシステムを構築した。痛みの教育に関する現状を把握するために医学教育者のメーリングリストを用いて痛みに関する教育の現状と問題点、要望などを調査した。NPO法人痛み医学研究情報センターのホームページを立ち上げ、医療者に対する教育や市民公開講座の開催、慢性の痛み対策研究事業の班研究の紹介をおこなった。
結果と考察
パワーポイントスライド約170枚からなる痛みに関する教育コンテンツを作成し、利用できる環境を整えた。現在の医学教育においては痛みの教育は系統的に実施されておらず、今後の取り組みを求める意見が多いことが明らかとなった。今後は、歯科医師、薬剤師、リハビリテーション療法士及びその学生向けの教育コンテンツの作成も必要である。
結論
「痛み」に関する教育資材を作成し普及させるシステムを構築し教育する立場の者が自由にダウンロードし活用できるシステムを構築した。今後、医師以外の医療系学生に対する教育コンテンツの作成が必要である。医療者の生涯教育、一般市民への広報に関しては、後述のNPO法人いたみ医学研究情報センターをはじめとする幅広い取り組みを長期的に進める必要がある。
公開日・更新日
公開日
2012-06-07
更新日
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