非血縁者間同種末梢血幹細胞移植開始におけるドナーおよびレシピエントの安全性と移植成績向上に関する研究

文献情報

文献番号
201126036A
報告書区分
総括
研究課題名
非血縁者間同種末梢血幹細胞移植開始におけるドナーおよびレシピエントの安全性と移植成績向上に関する研究
課題番号
H23-免疫-014
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
宮村 耕一(名古屋第一赤十字病院 造血細胞移植センター)
研究分担者(所属機関)
  • 小寺 良尚(愛知医科大学 医学部 造血細胞移植振興寄附講座)
  • 岡本 真一郎(慶應大学医学部 血液内科)
  • 日野 雅之(大阪市立大学大学院医学研究科 血液腫瘍制御学)
  • 豊嶋 崇徳(九州大学病院 遺伝子・細胞療法部)
  • 田中 淳司(北海道大学大学院 医学研究科 血液内科学分野血液内科学)
  • 神田 善伸(自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科)
  • 上田 恭典(倉敷中央病院 血液内科・血液内科学)
  • 長藤 宏司(久留米大学 医学部 内科学講座血液・腫瘍内科学)
  • 高橋 聡(東京大学医科学研究所・血液腫瘍学)
  • 西田 徹也(名古屋大学医学部附属病院 血液内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
10,256,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
第1期においては非血縁者間末梢血幹細胞移植(URPBSCT)を安全に開始するための各種基準・マニュアルの作成などを整備し、平成22年10月1日に同移植が開始された。これを受け第2期3年では、ドナー及びレシピエント双方の安全性の確認を行うとともに生涯にわたるフォローの基盤、慢性GVHD予防と治療、品質管理のための基盤整備を行い移植医療の成績向上をめざす。
研究方法
「ドナーの観察研究」「URPBSCTに関する観察研究」を遂行する。「ドナーおよびレシピエントの生涯フォロー」のための手帳を作成する。また多忙なドナーからは入院期間の短縮が求められており、安全を確保したうえでのG-CSFの外来投与、一日採取の実現に向けて調査を開始する。PBSCTで課題となる慢性GVHDに対し、対外紫外線治療(ECP)の導入のための調査を行う。「非血縁者移植ソース決定のアルゴリズム作成」「骨髄・臍帯血両バンクのドナー検索の一元化」を両バンクの協力も得て検討する。欧米で行われている相互監視システムを調査し本邦の実情に合わせた形で導入を検討する。これらの研究はすべて関係する倫理指針を順守して行われ、ドナーの安全と人権に最大の配慮を置き遂行される。
結果と考察
平成23年7月、9月、平成24年1月に会議を行った。今後3年間の目標設定を行うとともに、研究課題について、研究を行うことができた。本研究班第一の目的であるドナーおよびレシピエントの安全性の観察研究が遂行された。一日採取の実現に向けた大量アフェレーシスを試みた。GVHDの治療に必要なECPの治験・GVHD予防法の臨床研究を開始することは、患者の要望も強くわが国にとって必須なことである。レシピエントの生涯フォローも臓器移植と同様に求められている。欧米では厳しい相互監視により細胞治療の安全性と品質管理が保証されている。わが国では「院内における血液細胞処理指針」を出たところであり、これがきちんと行われているかの検証が必要である。豊富に含まれるPBSCの利用は高齢者移植、養子免疫療法など本法に必要な医療技術であると考えられる。
結論
3回の班会議において、URPBSCTの安全性を確認する作業、欧米と比較して遅れているインフラをそれに近づけるという研究課題に対する3年間での到達目標を作成することができた。各研究者においては、インフラ整備、プロトコールの作成および実施、基礎的な検討、各機関との打合、国際会議への参加などを行うことができた。

公開日・更新日

公開日
2012-06-07
更新日
-

収支報告書

文献番号
201126036Z