アレルギー疾患のダイナミックな変化とその背景因子の横断的解析による医療経済の改善効果に関する調査研究

文献情報

文献番号
201126029A
報告書区分
総括
研究課題名
アレルギー疾患のダイナミックな変化とその背景因子の横断的解析による医療経済の改善効果に関する調査研究
課題番号
H23-免疫・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
片山 一朗(大阪大学大学院 医学系研究科皮膚科学)
研究分担者(所属機関)
  • 横関博雄(東京医科歯科大学大学院 医歯学研究科皮膚科学)
  • 室田浩之(大阪大学大学院 医学系研究科皮膚科学 )
  • 田中敏郎(大阪大学大学院 医学系研究科臨床免疫アレルギー学)
  • 藤枝重治(福井大学医学部感覚運動医学講座・耳鼻咽喉科頭頸部外科学)
  • 金子 栄(島根大学医学部 皮膚科学 )
  • 宇理須厚雄(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院 小児免疫アレルギー学)
  • 河原和夫(東京医科歯科大学保健医療公共政策学)
  • 瀧原圭子(大阪大学保健センター 循環器内科学・一般内科学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
21世紀となり、社会・医療経済・地球環境のダイナミックな変化に合ったアレルギー疾患の発症と進展を防ぐプロジェクトが必要とされているが、小児から成人にいたる患者の治療と経過の難治化への関わりがブラックボックスとして残されている。本研究は時代に即したエビデンスに基づくアレルギー指導箋を患者の視点から作成し、介入することで医療経済のニーズに答えられる21世紀のあらたな新しいアレルギー疾患の治療と予防に向けた提言を行う。
研究方法
1.アレルギー疾患はその発症と進展においてどのように影響しあうか:コホート・症例対照研究
2.限られた医療資源をより有効に配分するための医療経済学的検討:アレルギー症状が労働生産性に与える影響を調査
3.生活習慣とアレルギー疾患の発症・進展に関わる新しい視点からの検討:悪化因子、改善因子のエビデンス確立に向けた個別研究。
結果と考察
1. [アレルギー疾患はその発症と進展においてどのように影響しあうか] 大阪大学新入生を対象としたアレルギー疾患有症率を後ろ向きに調査した。今後、同様の後ろ向きの検討を診療科横断的に順次開始した。
2.[限られた医療資源をより有効に配分するための医療経済学的検討] アレルギー疾患罹患による経済的な損失と学習効率に与える影響の調査を順次開始している。今後、本研究でこのような障害が副次的に与える影響を明らかにしていきたい。
3.[生活習慣とアレルギー疾患の発症・進展に関わる新しい視点からの検討] 患者の食生活、睡眠とアトピー性皮膚炎の関わりに関する研究は食事の回数と時間が不規則な傾向が見られた。汗は悪化因子と考えられているが、逆に発汗機能の重要性が明らかにされつつある。アトピー性皮膚炎の指導に関する調査では「ステロイド外用剤の塗り方の指導」が重要との意見が多い。乳幼児食物アレルギー患者とfilaggrin遺伝子変異の関連についてデータも集積され、生活面および治療指導箋の確立が急務と考えられた。花粉症に関してはフラボノイドの摂取が症状軽減に有効である他、アレルギー性鼻炎患者の合併するアレルギー歴の検証と生活を含む環境因子の関連性の検討が進められている。
結論
本研究は現代人のライフスタイルのダイナミックな変化を念頭に、アレルギー疾患の経過を調査できるものと考えられた。さらにデータと症例を拡充し新しい患者指導の立案に役立てたい。

公開日・更新日

公開日
2012-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201126029Z