より安全で良質な同種骨を供給するための社会基盤整備

文献情報

文献番号
201126021A
報告書区分
総括
研究課題名
より安全で良質な同種骨を供給するための社会基盤整備
課題番号
H22-免疫・一般-011
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
糸満 盛憲(北里大学 北里大学)
研究分担者(所属機関)
  • 水田 博志(熊本大学医学部整形外科)
  • 長谷川 幸治(名古屋大学医学部整形外科)
  • 神宮司 誠也(独立行政法人労働者健康福祉機構 九州労災病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫アレルギー疾患等予防・治療研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
7,442,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
安全な同種骨の確保に要求される骨採取チームの全国的な編成の可否について調査し、同種骨の質の管理とトレーサビリティーのシステムを確立すること、および骨採取チームを編成するにあたってのシミュレーションを行うことである。
研究方法
全国の大学整形外科教室を対象に、骨採取チーム編成の可否、採取可能範囲、インフォームドコンセント採取の可否、検査費用の負担の可否などについて調査を行った。ボーンバンクネットワーク東海で行っている同種骨管理におけるバーコードシステムの有用性と問題点について検討した。東海骨バンクを拠点バンクとして、熊本大学整形外科との間でネットワーク構築に向けたシミュレーションを行い、問題点を検討した。
結果と考察
24時間対応可能な採取チーム編成可能な施設は11(19.3%)、採取可能な範囲は自施設のみが42(73.7%)、他施設も可能が7(12.7%)、検査に要する費用を負担可能な施設は19施設(37.5%)であった。バーコードシステムによっておおむね良好に管理できるようになったが、問題点はバーコードスキャナ末端の変更などで解決できた。熊本大学整形外科と東海骨バンクの間でシミュレーションを開始し、東海骨バンクと今後の対応についての協議を行った。ボーンバンクネットワーク構築に向け、拠点バンクバンクが中心となって講演会などの教育・啓発活動が必要になる。
改正臓器移植法施行後に臓器ドナーが増加しているが、骨の提供には至っていない。2つの認定バンクのみでは対応可能な範囲が限られている。増加する需要に対応するためには、骨採取チームを全国に配置し広く同種骨を採取できるネットワークを構築する必要がある。これによって提供数を増やし、日本組織移植学会認定の前記2バンクの拠点バンクで処理・保存することで需要に対応することが要求される。調査の結果から全国的なボーンバンクネットワーク構築は可能と思われるが、拠点バンクとのシミュレーションを通して、機材の調達、教育、一時保管、搬送、供給に伴う費用を算出する必要がある。
結論
骨採取チームを全国的に配置したボーンバンクネットワーク構築に向けたシミュレーションを開始し、問題点を検討した。さらに検討を重ね、ネットワーク構築のために要する費用を概算し解決策を明確にする必要がある。

公開日・更新日

公開日
2012-06-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201126021Z