エイズ患者におけるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスが原因となる疾患の発症機構の解明と予防および治療法に関する研究

文献情報

文献番号
201124030A
報告書区分
総括
研究課題名
エイズ患者におけるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスが原因となる疾患の発症機構の解明と予防および治療法に関する研究
課題番号
H23-エイズ・一般-002
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
片野 晴隆(国立感染症研究所 感染病理部)
研究分担者(所属機関)
  • 上田 啓次(大阪大学大学院 医学系研究科 感染免疫 ウイルス学)
  • 藤室 雅弘(京都薬科大学 薬学部 細胞生物学分野)
  • 今村 顕史(がん・感染症センター都立駒込病院 感染症科)
  • 照屋 勝治(国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 上平 朝子(国立病院機構大阪医療センター 感染症内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
日本のエイズ患者におけるカポジ肉腫の発症数が増えており、カポジ肉腫への対策は急務である。本研究は日本のカポジ肉腫減少を目指し、カポジ肉腫の原因ウイルスであるカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHVまたはHHV-8)関連疾患の発症機構の解明、ワクチンを含めたカポジ肉腫の新規予防・発症予知法の開発、カポジ肉腫・KSHV感染症の現状把握、治療ガイドラインの作成を目標とする。
研究方法
ウイルスはKSHV、GFP発現組換KSHVを用いた。また、KSHV感染細胞として、TY-1, BCBL-1を用いた。感染細胞の同定はLANAに対する免疫染色、またはフローサイトメテリーを用いた。ウイルスタンパクの検出はウエスタンブロット、フローサイトメトリーなどの方法を各分担研究の中で目的に応じて使用した。カポジ肉腫症例の臨床的解析は、病変部位、検査所見、治療方針や経過などを、診療録を用いて後方視的に調査した。KSHV関連疾患の全国調査については、全国のエイズ拠点病院を対象に書面、またはインターネット(web)上でアンケート調査を行った。
結果と考察
今年度の基礎的な研究成果として、LANAによるウイルス複製機構の解析を行ったこと、ワクチン評価系としての細胞間感染実験系の開発に着手したこと、PEL細胞の細胞死を誘導する薬剤をいくつか同定したことがあげられる。また、カポジ肉腫症例の臨床的解析を行い、治療の指針の推奨案を示した。さらに、KSHV関連疾患の全国調査を行い、化学療法を必要とする予後不良例が少なからず存在し、死亡率も高い現状が判明した。現在主に使用されている化学療法薬の代替薬の必要性も示された。これらの調査結果は治療ガイドライン作成のための重要な資料となる。
結論
ワクチン評価系としての細胞間感染実験系の開発に着手した。PEL細胞の細胞死を誘導する薬剤をいくつか同定した。カポジ肉腫の臨床的解析を行い、治療の指針の推奨案を示した。また、KSHV感染疾患の全国調査を行い、ドキシルなどの化学療法を必要とする予後不良例が少なからず存在し、死亡率も高い現状が判明した。

公開日・更新日

公開日
2012-04-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
201124030Z