ＨＩＶ感染症の医療体制の整備に関する研究 | 厚生労働科学研究成果データベース

文献情報

文献番号

201124025A

報告書区分

総括

研究課題名

ＨＩＶ感染症の医療体制の整備に関する研究

課題番号

H22-エイズ・指定-006

研究年度

平成23(2011)年度

研究代表者(所属機関)

山本　政弘(（独）国立病院機構九州医療センター　ＡＩＤＳ／ＨＩＶ総合治療センター)

研究分担者(所属機関)

岡　慎一(（独）国立国際医療研究センター病院　エイズ治療・研究開発センター)
木村　昭郎(広島大学原爆放射線医科学研究所　ゲノム疾患治療研究部門血液内科研究分野　　)
伊藤　俊広(（独）国立病院機構仙台医療センター　血液内科)
田邊　嘉也(新潟大学医歯学総合病院　感染管理部)
横幕　能行(（独）国立病院機構名古屋医療センター　エイズ治療開発センター・感染症科)
上平　朝子(（独）国立病院機構大阪医療センター　感染症内科　)
佐藤　典宏(北海道大学病院　高度先進医療支援センター)
照屋　勝治(（独）国立国際医療研究センター病院　エイズ治療・研究開発センター)
前田　憲昭(医療法人社団皓歯会阪急グランドビル診療所)
島田　恵(首都大学東京　健康福祉学部看護学科)
山中　京子(大阪府立大学　人間社会学部)
田中　千枝子(日本福祉大学　社会福祉学部保健福祉学科)
上田　幹夫(石川県立中央病院　免疫感染症科)
白阪　琢磨(（独）国立病院機構大阪医療センター　臨床研究センター　エイズ先端医療研究部　HIV/AIDS先端医療センター)
潟永　博之(（独）国立国際医療研究センター病院　エイズ治療・研究開発センター)
杉浦　亙(（独）国立病院機構名古屋医療センター　臨床研究センター　感染・免疫研究部　エイズ治療開発センター)

研究区分

厚生労働科学研究費補助金疾病・障害対策研究分野エイズ対策研究

研究開始年度

平成22(2010)年度

研究終了予定年度

平成24(2012)年度

研究費

105,500,000円

研究者交替、所属機関変更

-

研究報告書（概要版）

研究目的

本研究班は、我が国におけるHIV医療体制の現状把握の為の基礎資料を収集し的確な政策提言を行う事と、ブロック拠点病院を中心とし、継続可能で格差のないHIV医療体制の構築を図る事の２つを目的としている。またこれを補助する研究として合併する疾患の全身管理の情報提供、HIV感染症の医療費の分析と長期療養患者の実態把握、歯科診療の均てん化、包括ケアの均てん化、エイズ診療支援ネットワーク（A-net)構築、薬剤耐性検査の検査適応のガイドラインを整備する。

研究方法

基礎資料の収集では、各ブロック拠点病院の患者数や連携実績を収集する。また現在まで、ACC、ブロック拠点病院、中核拠点病院が設置されてきたが、これをさらに発展させ、継続可能で格差のないHIV医療体制の構築を目指してゆく。この目的達成の為
A)各ブロック拠点病院のHIV医療体制整備（８ブロック代表者）と首都圏の医療体制整備を中核にすえ、それを補完する
B)歯科のHIV診療体制整備（前田）
C)HIV医療包括ケア整備（島田、山中、田中）
D)医療経済を含めたHIV医療のあり方検討（白阪）
E)HIV診療における全身管理のための研究（潟永）
F)エイズ診療支援ネットワーク（A-net）構築に関する研究(照屋)
の構成で班の活動を行った。

結果と考察

HIV医療体制の現状把握の為の基礎資料を収集し、その情報を全国に発信した。100以上の研修会・後援会を開催し、医療連携や医療の均てん化を目指し多くの情報発信を行った。また将来に向け、CPネットワークによるデータベース作成の模索もACCを中心として開始した。
またHIV医療包括ケア整備グループにおいては、HIV医療の包括ケアが提供できるよう多くの活動を行い、HIV医療の向上に質している。
医療経済を含んだHIV医療のあり方に関しての検討ではHIV医療が各医療機関において負担とならないようHIV医療経済を解析した。また全身管理のための研究で新しく出てきた問題への対応及び情報発信も行った。また患者対応だけでなく患者家族への対応など、より包括的な医療も行った。

結論

本研究においては今年度も多くの研究活動を行ない、地道ながらも着実にHIV医療体制の整備が促進されたが、長期療養の問題をはじめとして、多くの課題が山積みしており、今後も同研究の発展継続はより必要である。またこれらの研究より得られた成果は行政への提言という形でも活用されており、今年度もいくつかの政策的進歩が得られている。さらに今後地域連携を押し進め、拠点病院制度に頼らない地域における包括的医療を推進していく事が期待される。