文献情報
文献番号
201124015A
報告書区分
総括
研究課題名
地方公共団体-NPO連携による個別施策層を含めたHIV対策に関する研究
課題番号
H21-エイズ・一般-015
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
嶋田 憲司(特定非営利活動法人 動くゲイとレズビアンの会 研究部門)
研究分担者(所属機関)
- 河口 和也(広島修道大学 人文学部)
- 大石 敏寛(せかんどかみんぐあうと)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,880,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、個別施策層対策及びHIV検査事業において地方公共団体-NPO連携を進め、HIV対策を推進することを目標とし、①地方公共団体-NPO連携の課題の把握と解決策の策定、②地域の状況に応じた連携の事例化とNPOの能力の向上、③連携による検査事業の評価と質的充実、の3つの目的を掲げる。
研究方法
研究1「地方公共団体-NPO連携によるHIV対策の事業化に関する実態調査」では、地方公共団体(N=138)へのHIV対策やNPO連携等についての質問票調査、地方公共団体との連携により検査事業を実施しているNPO5団体への事例収集を行った。
研究2「地方公共団体-NPO連携によるHIV対策に対する地域の実情に応じた支援手法の開発」では、地方公共団体-NPO連携による一般層向けHIV検査事業の事業化・事例集の発行、MSM向け普及啓発事業を行った。
研究3「地方公共団体-NPO連携によるHIV検査事業の評価と質的充実に関する調査」では、連携による検査事業の効果評価及び質的充実に向けた調査と介入を行った。
研究2「地方公共団体-NPO連携によるHIV対策に対する地域の実情に応じた支援手法の開発」では、地方公共団体-NPO連携による一般層向けHIV検査事業の事業化・事例集の発行、MSM向け普及啓発事業を行った。
研究3「地方公共団体-NPO連携によるHIV検査事業の評価と質的充実に関する調査」では、連携による検査事業の効果評価及び質的充実に向けた調査と介入を行った。
結果と考察
研究1:HIV対策は一般層では啓発普及活動(96.9%)等が実施されているが、青少年以外の個別施策層では1割?2割しか実施されていない。地方公共団体の47.3%がNPOとの連携経験をもち、22.5%がNPOに事業を委託しているが、評価基準や財源の不足等の課題があり、効果評価も含めた事例や情報の提供が必要である。
研究2:MSM向け普及啓発事業では、「LIFEGUARD」の実施により参加者(N=168)の行動変容で有意な効果が確認された。一般層向け検査事業では、2地域で即日検査を実施した。さらに、「HIV検査連携事業事例集」を発行し、地方公共団体に事例を普及した。
研究3:さいたま市・中野区の検査事業にて、NPO連携による検査数の増加により総受検者数を増加させた(さいたま市:1.35倍、中野区:1.19倍)。NPOの実施する相談・啓発により、受検者の不安の軽減や性行動の変容意図への効果を確認した。
研究2:MSM向け普及啓発事業では、「LIFEGUARD」の実施により参加者(N=168)の行動変容で有意な効果が確認された。一般層向け検査事業では、2地域で即日検査を実施した。さらに、「HIV検査連携事業事例集」を発行し、地方公共団体に事例を普及した。
研究3:さいたま市・中野区の検査事業にて、NPO連携による検査数の増加により総受検者数を増加させた(さいたま市:1.35倍、中野区:1.19倍)。NPOの実施する相談・啓発により、受検者の不安の軽減や性行動の変容意図への効果を確認した。
結論
地方公共団体では個別施策層への対策が進んでいない状況が明らかになり、一層の充実が求められている。また、事業委託の経験を有する地域は22.5%にとどまり、効果評価も含めた情報の提供が必要である。地方公共団体-NPO連携の事業において、MSM向けでは行動変容の効果を確認し、一般層向け検査事業では2地域での連携を達成した。NPO連携事業の効果や意義をさらに深め、特に、HIV検査事業でのNPO連携による実施の安定的な運営及び相談・予防啓発の効果に関する情報の提供を重視する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2014-05-26
更新日
-