予防接種後副反応サーベイランスの効果的な運用とその行政的な活用のあり方に関する研究

文献情報

文献番号
201123046A
報告書区分
総括
研究課題名
予防接種後副反応サーベイランスの効果的な運用とその行政的な活用のあり方に関する研究
課題番号
H23-新興・一般-012
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
多屋 馨子(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
  • 岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 永井 利三郎(大阪大学 医学部)
  • 安井 良則(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 砂川 富正(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 齋藤 昭彦(新潟大学 医学部)
  • 田中 敏博(JA静岡厚生連 静岡厚生病院)
  • 落合 雅樹(国立感染症研究所 検定検査品質保証室)
  • 新井 智(国立感染症研究所 感染症情報センター )
  • 佐藤 弘(国立感染症研究所 感染症情報センター )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
14,535,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
海外の副反応報告制度を調査するとともに、電子媒体による副反応報告、集計・解析システムを国内で構築することを目的とする。ワクチンの品質と関連させた集計解析・原因究明、迅速な情報提供、保護者あるいは医療従事者の予防接種に対する意識に関する調査を行い、副反応、有害事象、誤接種情報を蓄積すると共に、改善法を検討し、副反応の解析に用いる分母情報を得て、接種率調査にも利用できるしくみを構築することを目的とする。
研究方法
海外の副反応報告制度を調査し、保護者ならびに市区町村の実態調査、新たに導入されたワクチンを含めた乳幼児予防接種スケジュールを考案する。また、誤接種の実態を調査するとともに、副反応の解析に不可欠な分母情報(接種者数)と対象者数から接種率を迅速に把握する仕組みの構築を行い、ワクチンの品質の検討と連携させる。
結果と考察
電子媒体の副反応報告書を作成し、分母情報(被接種者情報)の収集、接種率の算出に必要な解析を行うためのシステムを構築した。誤接種の実態を全国調査した。保護者の意識調査を実施し、過密となっている乳幼児の予防接種スケジュールについて提案した。海外、特に副反応報告制度に関して先進的とされる英国、韓国に赴き、制度について調査した。ワクチンの成分・品質から安全性に繋げる検討を行った。
結論
新しいワクチンの国内承認が相次ぎ、乳幼児の接種スケジュールが過密となり、誤接種の相談も増加している。電子媒体による副反応報告システムの構築と、集計・解析システムを構築し、誤接種について全国調査を実施した。また、海外(今年度は英国と韓国)の予防接種後副反応報告制度について調査し、今年度は保護者の意識に関しても調査した。副反応の解析には分母情報(被接種者数)が不可欠であることから、麻疹・風疹含有ワクチンについて接種率を集計するシステムを構築した。ワクチンの品質に関しては、新たな動物実験代替試験法の国際的な状況について情報収集を行うとともに検討を行った。現行の制度をまとめて報告したが、今後は定期接種、定期外接種の区別のない迅速かつ効率的な副反応サーベイランス体制を構築し、積極的疫学調査を含めた原因究明の調査体制を確立することが期待される。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123046Z