バイオテロに使用される可能性のある病原体等の新規検出法と標準化に関する研究

文献情報

文献番号
201123041A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオテロに使用される可能性のある病原体等の新規検出法と標準化に関する研究
課題番号
H23-新興・一般-007
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
倉根 一郎(国立感染症研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 森川 茂(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 井上 智(国立感染症研究所 獣医科学部)
  • 見理 剛(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 安藤 秀二(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 宮崎 義継(国立感染症研究所 生物活性物質部)
  • 堀野 敦子(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 黒田 誠(国立感染症研究所 病原体ゲノム解析研究センター)
  • 佐多徹太郎(富山県衛生研究所)
  • 永田 典代(国立感染症研究所 感染病理部)
  • 倉園 久生(帯広畜産大学 畜産衛生学研究部門)
  • 田中 智之(堺市衛生研究所)
  • 岩本 愛吉(東京大学医科学研究所 先端医療研究センター)
  • 松本 哲哉(東京医科大学 微生物学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
49,248,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
バイオテロに利用される可能性のある病原体等は感染し発症すれば非常に高い致死率を示すものが多い。一方これらの病原体は、稀なものが多く、通常の病院や検査機関では確定診断が困難であり、確定検査が遅れる可能性がある。従って、バイオテロ対策としては、早期検知法の確立と迅速診断システムの整備が必須である。さらに、早期検出により、感染拡大を防止し、社会的なパニックを防止する必要がある。本研究では、バイオオテロの迅速な検出を可能とし、さらに感染防止策等の迅速な対応策の策定を可能とすることを目的とした。
研究方法
研究は研究代表者、研究分担者13名の計14名によって行なわれた。研究においては各人の担当分野を研究代表者が有機的に結形で遂行された。研究は、病原体特異的検査法の確立、病原体の網羅的検査法の確立、病理学的検査法の確立、検査ネットワークの整備、各病院での検査診断支援法の確立を目指した。
結果と考察
特定病原体等に対する、遺伝子検出法、抗原抗体検出法、毒素迅速検出法等の迅速診断法の確立と標準化を行った。網羅的検出法として、網羅的ウイルス検出法、網羅的細菌検出法、超高速ゲノム解読法の確立を行い、さらに未知の病原体等検出法、病原体のデータベース等の開発と確立を行った。病理学的、また電子顕微鏡を用いた病原体検出法、免疫組織化学的検出法の確立を行った。検体調整法とスクリーニング法の普及、検査マニュアルの整備を行い、地方衛生研究所や検査機関での対応と検査ネットワークの整備を行った。
本研究により、一次対応者や対応機関を支援する目的で最新情報を提供し、緊急時に事件や環境ないし臨床検体からバイオテロ関連病原体等を短時間に検出同定する実験室診断法の開発、病原体ゲノムデータベースの作製および検査診断機関のネットワーク化が可能となった。
結論
本年度得られた成果により、①バイオテロの迅速な検出が可能となり、感染防止策等の迅速な対応策の策定が可能となった。②国民のバイオテロに対する不安が軽減され、バイオテロ事件および模倣事件に対する抑止効果も期待できる。③バイオテロ対策の必要性について、各医療機関の認識を高めることができる。④国内の状況を考慮した、実践的なガイドラインやマニュアルを作成することで、バイオテロ対策をより充実させることが可能となった。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123041Z