地域における効果的な結核対策の強化に関する研究

文献情報

文献番号
201123035A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における効果的な結核対策の強化に関する研究
課題番号
H23-新興・一般-001
研究年度
平成23(2011)年度
研究代表者(所属機関)
石川 信克(公益財団法人結核予防会結核研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 御手洗 聡(公益財団法人結核予防会結核研究所 )
  • 岡田 全司(独立行政法人国立病院機構近畿中央胸部疾患センター臨床研究センター)
  • 阿彦 忠之(山形県衛生研究所)
  • 内村 和広(公益財団法人結核予防会結核研究所 )
  • 大角 晃弘(公益財団法人結核予防会結核研究所 )
  • 吉山 崇(公益財団法人結核予防会複十字病院)
  • 伊藤 邦彦(公益財団法人結核予防会結核研究所 )
  • 松本 健二(大阪市保健所)
  • 貞升 健志(東京都健康安全研究センター)
  • 下内 昭(公益財団法人結核予防会結核研究所 )
  • 加藤 誠也(公益財団法人結核予防会結核研究所 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究
研究開始年度
平成23(2011)年度
研究終了予定年度
平成25(2013)年度
研究費
26,677,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
今後のわが国における結核対策・結核医療においては、1)低まん延化、2)専門家の減少(対策・医療の質維持の困難)、3)地域間における結核疫学状況の差異の増大(各自治体独自の対策立案の重要性増大)、4)特定のリスクグループへの結核罹患の偏在、の4つの因子を考慮せねばならない。本研究は上記4因子を広く包含した各地域での効果的な対策の立案・維持の手法を提示する総合的対策研究である。
研究方法
研究は疫学および病原体のサーベイランスと、具体的介入方法の研究の二分野で構成される。病原体サーベイランスはさらに遺伝子タイピングおよび薬剤耐性サーベイランスとその基礎としての菌検査外部精度保証の三つに分けて検討した。いずれもモデルケースの構築や実際のサーベイランス施行などにより、実際の導入に直接裨益するような形で行った。具体的介入手法の研究では、介入全般および個々の具体的介入方法の両面で研究を行った。
結果と考察
疫学サーベイランス研究では現行システムの問題点を指摘し、病原体サーベイランス研究ではその有用性を示すと共にモデルケースの構築を行っている。具体的介入手法の検討では、特定のリスク集団への結核の集中とこれらへの重点的対策の強化が重要である。対策全般については、外部専門家の利用を含めた「対策→評価」サイクルの有用性が示唆され、医療の質指標案が作成された。個々の介入研究では様々なリスク集団での検討がなされた。総論として、各リスク問題の大きさ・優先順位の検討が行われ、各論として接触者健診・院内感染・老年者・ホームレスへの結核対策についても様々な視点から分析がなされ、老年者における外来再感染発病など、新たな問題点や課題が明らかになっている。また今後重要性を増す(超)多剤耐性対策についても新薬登場を見据えた調査がなされつつある。
結論
1年目としての有益な成果が得られた。疫学・病原体の両サーベイランス研究の本研究成果から、将来疫学サーベイランスシステム改更の際の具体的方針を示し得る成果が得られ、速やかな国単位の結核病原体サーベイランス確立の必要が示された。各地域での結核対策の強化に応用可能な方式の成果が得られつつある。

公開日・更新日

公開日
2012-05-31
更新日
-

収支報告書

文献番号
201123035Z